「────贔屓目なしにこの学校で一番実戦経験があるのは君らだ。いつも通りに落ち着いて、サクッと優勝とってきな」


ハイッと皆の威勢のいい返事が車の中に響き渡る。


「目指すは!」

「優勝!」

「掴むは!」

「栄光!」

「ウィーアー……」

「チーム罰則ッ!」


強く一歩踏み出した私達は天高らかに拳を突き上げた。

頑張ろうね、とお互いの背中を叩きあっている中で呆れた浮かべた信乃くんが口を開いた。


「今朝から思っとったけど、チーム罰則って名前どうなん?」


あー、と苦笑いで頬をかく。

一年の頃まだ階位が出社だった私達は自分たちのことを「チーム出仕」と称していたけれど、二年になり直階へ上がったことで「チーム出仕」がな乗れなくなった。

次のチーム名を何にするかと話し合った時に、以前鶴吉さんから罰則の多さに呆れられて「お前らもうチーム出仕じゃなくてチーム罰則にしろ」と言われた事を思い出し、結局チーム罰則になった。

泰紀くんいわく「むしろ不吉で縁起がいい」とのこと。

納得できるような出来ないような。

でもチーム罰則を名乗り始めてから確かに罰則を食らった回数は減った気がする。今月はまだ一度しか掃き掃除をしていない。