「恵衣くんも納得してくれて良かったね、慶賀くん


また俯いて深く考え込む慶賀くんに声をかける。ワンテンポ遅れて「ん?」とこちらを見た。


「なんか言った?」

「あ、いや……雑談だよ」

「そっか、悪ぃな聞いてなくて」


かつてないほど真剣な表情の慶賀くん。みんなの雑談も耳に届いてないようだ。

お祭りってここまでを人を変えるんだな、なんて思いながら卵焼きを咀嚼した。