深く考え込むように俯いた慶賀くんが淡々とそう言う。私たちの反応がないことに気が付き不思議そうに顔をあげた。

ポカンと口を開いて固まる私たちを見て「何だよ?」と眉根を寄せる。


「お前……ほんと奉納祭のことになるとキャラ変わんのな。そこまで行くとちょっと気持ち悪ぃぞ」

「やめてよブレーン担当は僕なんだから。お前は馬鹿担当のままでいて」

「……んだとコラ!?」


二人に飛びかかった慶賀くん。そのまま仲良くみんなでひっくり返って悲鳴をあげた。相変わらずのやり取り少し呆れながらも笑って見守る。

そして慶賀くんの提案により、信乃来光ペア、嘉正泰紀ペア、瓏慶賀ペア、私は鬼市くん恵衣くんと組んで出場することになった。

鞍馬勢とこちらの神修が混じっていい塩梅に力の均衡も取れたチーム分けだろう。

なにより恵衣くんがチームを組んで出ることに賛成してくれたのは意外だった。

実行委員で本部テントで昼食を食べている恵衣くんに作戦のことを電話で伝えると案の定「誰がお前らなんかとチームを組むか。一人でやる方が効率がいい」と一蹴される。

とりあえずチーム分けだけ伝えると恐らく電話の向こうで苦い顔をしながら「……わかった。従う」とだけ呟き通話を切った。

渋々ながらも慶賀くんの人選に納得してくれたらしい。