「────ねぇヤバいよ! 午後の部で一回でも上位入賞逃したら僕たち優勝できない!」
午前の部が終了し一時間の昼休憩が挟まれた。
私たちはいつものたまり場である庭園の反り橋の下で、食堂のおばさんたちが用意してくれた奉納祭弁当を突きながら作戦会議に勤しんでいた。
午後の部の種目の得点表と睨めっこしていた来光くんが悲鳴をあげる。
「三年一組とは20点差で負けてるからな……巻き返すならあと二種目で1位を取りたいところだな」
「得点取れそうな種目言うたら、最後のアレくらいちゃう?」
午後の部はあと五種目あって、その大トリが高等部が全員参加する模擬修祓だ。
「纏まって動くか? 得点高い強い呪いとか協力プレーで祓えばなんとかなりそうじゃね?」
確かに手っ取り早く稼ぐには団体プレーで特典の高い獲物を狙って行くのがいいのかもしれない。
みんなが泰紀くんの意見に賛同しかけたその時「……いや」と慶賀くんが片手をあげて制した。
「模擬修祓は個人プレーで行こう。確かに纏まって一気に特典を稼ぐのもいいけど、もし残穢の少ないハズレエリアに当たった時に移動時間が持ったいねぇ。たしかに得点の大小はあるけど、これは修祓の正確性が見られる競技だ。小さいグループ……1チームにつき二人だな。ペアを作って東西南北に散って動く方が確実だと思う」