一週間前からよく晴れる予報だった奉納祭の当日は、お天気お姉さんの言う通り雲ひとつない晴れ空だった。

瓏くんが昨日急遽出場が可能になったことで大幅に戦力アップした私たちは着実に得点を稼いでいる。現在トップの聖仁さん率いる三年一組とは抜いて抜かれてを繰り返している。


「おい薫先生もっと声出せよ! 受け持ちの生徒がこんなに頑張ってるんだぞ!」


テントの下で椅子に深く座り顔にタオルをかぶせ天を仰ぐ薫先生。今朝からずっとその調子だ。

泰紀くんが文句を零せば気だるげにタオルを持ち上げてこちらを見る。


「許してよ泰紀、明け方まで任務だったんだって。態度に出てないだけで、心の中では全力応援してるから」

「一徹くらいで情けねぇ〜」

「泰紀も大人になったら分かるよ、三十路手前の徹夜がどんだけしんどいか。ほら、次の種目始まるよ。行った行った」


なんだよー、と言いながらテントを飛び出して行った泰紀くん。

次の種目は借り物競争だ。私と瓏くんと泰紀くんが出場する。

私も「行ってきます!」と声をかければ、薫先生は「はーい、頑張って」と軽く手を振った。