「────只今の結果……第1位、三年一組(さかき)聖仁(せいじん)。第2位、三年二組飛鳥馬(あすま)鶴吉(つるきち)。第3位、神役修霊高等学校(しんえきしゅうれいこうとうがっこう)信田妻信乃」


レース結果の放送が入り、グランドの生徒たちが一斉に「わぁッ」と盛り上がる。


「よしッ! やっぱり第2レースに聖仁さんと鶴吉さんぶつけてきたか! 三位に入れただけでも大健闘だぜ!」


自分の読みが当たったことを喜ぶ慶賀くんは、戻ってきた信乃くんとハイタッチを交わす。続いて私も手を合わせて健闘を讃えた。


「お……お前……俺の健闘も……讃えてくおろろろろ」

「お、泰紀おかえり! ナイスゲロ!」


三歩歩く度に目を回して吐きまくる泰紀くんの背中をバシバシと叩く慶賀くん。

ああそんな風にしたらもっと悪化するんじゃ……。

案の定おろろろと戻す泰紀くんは白目を向いてひっくり返った。

泰紀くんも大健闘した方だ。私達の中では一番操縦酔いに苦労していたけど、扱いに慣れた三年生二人と信乃くんに続いて四位に入った。

四位以下は得点は入らないけれど、この短い間でそれだけの実力を身に付けたんだから誇っていいと思う。


「よーしよし! 後は雑魚ばっかだから、皆ゲロってでもゴールさえすれば上位取れるぞ! 俺もひとゲロしてくらぁ!」


だはははっ、と愉快そうに笑いながら待機位置へ走っていった慶賀くん。

その背中に「頑張れー!」と声援を送った。