騒ぐみんなを横目に、だいぶ吐き気も落ち着いてきたので体を起こして形代を取り出す。

習ったとおりに息を吹きかけて宙に放つとポンッと軽やかな音を立てて私と同じ背丈まで膨れ上がった。

次の瞬間、胃液が登りあがってくる感覚に「うっ」と口元を抑える。また地面に舞い戻った。


こりゃ相当な努力が必要だな、と目を細める。遠くの山に沈む夕日をぼんやり眺め深く息を吐いた。