おろろろ、おえええ、とちょっと文字に起こすには汚い音があちこちから上がっている屋外演習場にて。
授業が終わったあと、わざわざ自主練をするために屋外演習場へやってきた私達は自主練どころじゃなくなって各々に白砂の上に倒れ込む。
私も寝転がって天を仰ぎ、胃から湧き上がってくる感覚にうぷっと口元を押えた。
「あはは、皆面白いくらいにゲロりまくってんね」
屋根のある所から椅子に座って私たちの様子を見ていた薫先生がケラケラと笑いながら歩いてくる。
「だから今年は人型は諦めて、大人しく動物型にしろって言ったのに」
「だって薫先生……おろろろ」
「俺らだってやればでき……おえええ」
「あはは、会話になんないんだけど」
目が回ってまた地面に転がる二人を、寝転がりながら横目に見る。
「それに比べて来光はかなり安定してるね」
「去年の冬に特訓したんで」
来光くんはきらりとメガネを光らせて得意げに笑った。
「ま、意欲的なのはいいことだけどね」
寝転がる泰紀くんの背中にドスンと座った薫先生。グエッと潰れたカエルの悲鳴が聞こえた。