「巫寿さんを神話舞に選んだのは私だ。もちろん君の実力を評価して声をかけた。不正なんてものがない事はこの私が一番よく分かっている」


禰宜の声が遠くに聞こえる。


「こんな投書なんて神職一同誰も相手にしていない。ただこういう事実があった以上、巫寿さんから話を聞いておきたくてな」


禰宜が少し困ったように笑う。


「私生活で何か困っていることはないか?」


テレビをぼんやり見ているような気分だった。