「だから力の使い方は教えられないんだけれど、力をどう使いこなすのかは教えられるわ。次の稽古からはそれを練習していきましょう」


その言葉に壁の掛け時計を見上げると、終わるように指示された時間の五分前だった。

ありがとうございました、と手をついて頭を下げる。

これまでは力の本質すらよく分かっていなかったし、発動条件も知らなかった。例え自分の意志で力が使えなくても、知識を得たことは大きな進歩だ。


「次もよろしくお願いします!」


私の言葉に誉さんは深く頷き微笑んだ。