翌日から神話舞の稽古が始まった。
と言っても私の役は去年と同じ巫女助勤で、振り付けもそこまで変わらない。
舞ったのは一年前だけれど案外体は覚えているもので、なんなら去年よりもいい感じだと初日から禰宜に褒められたくらいだ。
メンバーも去年とそこまで変わっていないから雰囲気も終始和やかなまま、一時間半の稽古が終わる。
いそいそと帰り支度を整えていると「お疲れ様、巫寿ちゃん」と聖仁さん達に声をかけられた。
「早速褒められてたね。流石だなぁ」
「ガハハッ、巫寿は私の秘蔵っ子だからな!」
瑞祥さんに抱きしめられてぐりぐりと頭を撫でられる。
「部活もあと十分くらいで終わると思うんだけど、顔だけ出してこようと思って。巫寿ちゃんどうする?」
「あ、私この後授力の稽古があって」
この後は本庁の稽古場を借りて誉さんと先見の明の稽古だ。
そう伝えると二人は頑張れ、と私の背を叩く。
手の温かさが嬉しくて少しはにかみながら大きく頷いた。