「今年は怪力の鬼市がいるから力技系の種目は圧勝できるだろうし、信乃と(ろう)の妖火も汎用性が高いからな」

「巫寿の授力で全員のステータスも底上げもできるから、持久戦だけ人選誤らなければなかなかいい線いくと思うぜ」


ふむふむと頷きながら話す慶賀くんと泰紀くん。

聖仁さんはそんなふたりに苦笑いを浮べる。


「お前ら、そういうこと考える時だけは賢い会話するね」


ふふん、とふたりが自慢げに胸を張る。

褒められてはないんだけどな。


「そういえば……私、奉納祭は二学期しか出たことがないんだけど、一学期の奉納祭は具体的にどんなことをするんだっけ?」

「よくぞ聞いた巫寿!」


パチンと指を鳴らして私を指さした慶賀くんがニヤリと笑って立ち上がる。

ダンッとテーブルに片足をついてトンと胸を張った。


「一学期奉納祭のと言えばこの俺、志々尾慶賀! 神修のお祭り男と呼んでくれ!」

「お行儀悪いから足下ろしなさい」


聖仁さんの冷静なツッコミに胸を張ったまま足だけ下ろした。

なるほど、慶賀くんって体育祭で張り切る系の男子だったんだ。