「それで、まさかこんな公衆の面前でずっとそんな雑誌読んでたわけじゃないよね?」


聖仁さんの問いかけに三人は赤べこのように首を振った。

そしてテーブルの隅に寄せられていた「第1回1学期奉納祭攻略作戦会議」と書かれたA4の紙を慶賀くんが掲げる。


「奉納祭に向けて作戦会議してたんだよ! これはガチ! 信じて巫寿!」


あまりにも必死な形相で私を見るので思わず苦笑いだ。


「もう奉納祭のこと話し合ってるの? ちょっと早くない?」

「確かに毎年奉納祭終わったあたりからだけど、俺ら去年は参加できなかったからさぁ。今年は全種目で一位かっさらうために早めに準備してんの!」


なるほどね、と聖仁さんが頷く。

奉納祭というとその学期の学習成果を発表する学校行事で、年に二回一学期の終わりの二学期の終わりに行われる。感覚としては体育祭や文化祭に近い。

去年は開門祭の日に起きた事件のせいで大ダメージをくらった私たちは一学期の後半をずっとベッドの上で過ごすことになったせいで奉納祭には参加出来なかった。

だからうちのクラスからは参加したのは恵衣くんだけで、恵衣くんはかなり大健闘したらしいけれど他が全て棄権だったので惨敗したらしい。