私もワンテンポ遅れて拍手を送った。


「これが俺の本来の妖力。妖力を使えば通常よりも倍の力が出る。平たく言えば、妖力が怪力になって出力される感じ」


おお〜と皆が感嘆の声をあげる。


「ありがとう鬼市。戻っていいよ。木はその辺に転がしといて」

「はい」


言われた通り鬼市くんは地面に松の木を放る。足裏にその衝撃が伝わって頬をひきつらせた。

これ絶対あとから怒られるのでは。


鬼市くんが私の隣に座ると私の顔を覗き込む。


「どうだった」

「あ、凄かったよ! なんでも持ち上げられるなんて、頼もしいね」


鬼市くんは目を細めた。


「あとで巫寿も持ち上げてやる」

「わぁ、楽しみ────え?」


そこお喋りしないよー、と注意されて鬼市くんが前を向く。

いま鬼市くん何て言った?