「────うん、分かった。部活のことは気にせず、しっかり研鑽しておいで」
「にしても巫寿が授力持ちだったなんてなぁ」
その日の放課後、神楽部の練習が始まる少し前に聖仁さんと瑞祥さんに声をかけた。
誉さんとの授力の練習が始まると部活にもあまり顔を出せなくなるので先に二人には伝えておくことにしたのだ。
「今までお伝えせずすみません」
「いやいや、授力の話は結構タブーだからね。気にしないで。でもそうか、なるほど」
顎に手を当てた聖仁さんがそう呟く。
なるほど……?
「聖仁? なるほどって何だよ」
「ん、いや何でもないよ、こっちの話。さ、そろそろ戻ろうか。練習始めよう」
「だな! 今日から新メンバーも加わるし!」
新メンバー?
首を傾げながら練習室の中へ入る二人に続いた。