恐る恐る腰を浮かして窓から顔を覗かせた。 大百足が腹を上にしてひっくり返っている。白髪の彼が軽やかにそのそばに降り立った。静かに他を合わせてもごもごと口の中で何かを唱える。 すると大百足の体が眩く光って、その体が溶けるように白い粒となって天に昇っていく。 窓からその光景を見ていた私と恵衣くんは言葉を失った。 同い年くらいの彼がたった一人で、それも息吹法だけで、あの大百足を祓ってしまうなんて。