目尻の涙を拭おうとしたその瞬間「トウッ!」という掛け声とともに恵理ちゃんが私の首に手を回して飛び付いてきた。

支えきれずにそのまま後ろにひっくり返る。


「巫寿、大好きだよ!」


耳元で恵理ちゃんがそう言う。


「私の自慢の親友! 世界一可愛い女の子! 強くて優しい正義の味方!」


私を煽てる言葉を次々と並べていく恵理ちゃんに思わずプッと吹き出す。

大袈裟だよ、と肩をすくめると「私の親友をバカにするなー!」と脇腹を擽られて、声が枯れるまでゲラゲラ笑い続けた。