相変わらずな性格の親友に額を押えて息を吐く。
「恵理ちゃんは、その時大丈夫だったの……?」
「まぁフル無視と陰湿な嫌がらせは食らったけど、実力見てせ黙らせたよ。金メダル取って帰ってきたら、コロッと態度変えてさ〜。今は皆超仲良し」
さっぱりした性格だという事は昔からよく知っていたけれど、改めて親友の逞しさを思い知る。
前に恵理ちゃんの言祝ぎが高いと嘉正くんが言っていたけど、こういう性格もきっと関係しているんだろう。
「ていうか、私のことはいいから! 今は巫寿のことだよ!」
恵理ちゃんが私の両肩に手を乗せた。
「私は巫寿のいい所いっぱい知ってるし、きっと学校のみんなだって分かってるはずだよ。ただ今は噂に惑わされて、何を信じたらいいのか分からなくなってるんだよ」
恵理ちゃんは目を弓なりにすると、私の両手を握りしめて自分の額にあてた。
「絶対に大丈夫。親友の私が保証する。巫寿は優しくて可愛くて強くてすごい女の子だもん。巫寿が自分を見失わずいつも通りに過ごしていれば、皆きっとそれを思い出して元に戻れるよ」
「恵理ちゃん……」
名前を呼ぶ声が震える。
どうしよう、また泣きそうだ。
「辛くて苦しい時は、私の事を思い出してね。どんな時でも無条件に巫寿を支える最強の味方だから。地元に最強の味方がいるんだって思えば、何も怖くないでしょ?」
「……うん、そうだね。全然怖くないね」
思わず笑みがこぼれる。
でしょ、と恵理ちゃんが顔を上げた。