先輩二人が庇ってくれたからと言って、すぐに何かが変わるわけではなかった。部活では相変わらず一人で体操しているし、放課後のおしゃべりタイムもなくなった。

盛福ちゃんと玉珠ちゃんは私と目を合わせようともしなかった。金曜日の女子会は開催されなくなった。

部活だけじゃない。

広間でご飯を食べていればヒソヒソと私のことを話す声が聞こえてくる。廊下を歩けば背中に視線を感じる。皆が疑いの目を私に向けている。

大好きだった神修のご飯は味がしなくなった。どれも砂を噛んでいるみたいでいつも飲み込む度に喉が詰まりそうになって水で流し込んだ。

一日が終わって布団に寝転ぶとほっぺたが凄く痛かった。自分が一日無理やり笑っていたことに気付く。

針のむしろ状態が続く毎日に、時折息の仕方を忘れたように苦しくなることがあった。


みんながみんな疑いの目を向けているわけじゃない。クラスメイトのみんなはいつも通りに接してくれるし、聖仁さんや瑞祥さんのような関わりのある一部の3年生もそうだ。

ただ、いつもそのメンバーと一緒にいられるわけじゃない。実習の前に更衣室で着替える時は私一人だし、トイレやお風呂まで一緒に行く訳にも行かない。

私が一人でいる時に限って分かりやすく敵意を向けられた。