周りの反応からして、部員のみんなはほぼ私が一級を取得したことを知っているみたいだ。
でも、一体どうやって。
「巫寿ちゃん、去年編入してきたばかりだよね? それなのにもう一級を取れるなんておかしいよ」
「ふ、普通ならそんなことできないです……!」
言葉につまる。
私だって一級を取れるなんて思ってなかったし、どうしてこうなったのか教えて欲しいくらいだ。
「巫寿ちゃんって、禄輪禰宜と親戚なんだよね。禄輪禰宜に頼んだの?」
「な……っ、それは違うよ! 禄輪さんは関係ないし、私はちゃんと自分の力で……!」
私に向けられる疑いの目がどんどん強まって行くのを感じる。
呼吸のやり方を忘れたみたいに息苦しい。
「本当に自分の力で」そういった自分の声はあまりにも弱々しく周りの喧騒に消えていく。
「大事な試験で不正なんて見損なったよ巫寿ちゃん」
「残念です」
二人が、みんなが私を侮蔑する目を向ける。
両手が震える。違う、そうじゃない、私にも分からないの。そう言いたいのに出し方を忘れてしまったみたいに声が出てこない。
なんで、どうして。
じわっと目尻が熱くなった次の瞬間。