「何これ…ほんとに私…?」


「ほらね、ちゃんとすれば華夜も輝くんだよ」



ナチュラルだけど色っぽいメイクに似合うようにサラストロングのウィッグをつけているせいか、余計鏡にうつる自分が自分ではない人のように見えた。



「どうせなら服装もメイクに合わせて…これとかどう?テーマは“夜の六本木を歩く美人看護師”!」


「なんで看護師?」


「なんとなく。なんかエロくない?」



美代から黒のピタッとしたシンプルだけどさりげなく鎖骨が出ているワンピースを受け取りながら、苦笑いを返す。


散々妹のことをダサいとか言っているけど、考え方が中学生男子な姉もどっこいどっこいだと思った。







「お姉さん、綺麗だねー。もしよかったらデートしない?」