「あなたに一目惚れしました」



夜の時計台の下、愛の告白をされた相手は、まさかの“先生”でした。





時を遡ること、一時間前…。



華夜(かよ)、あんたよくそんな格好でいられんね」



アイスをくわえながらコップに麦茶を注いでいると、二階から下りてきた姉の美代(みよ)にふとそんなことを言われた。



「そんな格好って…別に普通でしょ?」


「いやいや、いくら家だからって、髪の毛ちょんまげにして着古したよれよれなTシャツに短パンJKはきっとあんただけだよ。華のJKが聞いて呆れるわ。いつからそんなおばさんくさくなったの?」


「ひっどい、そんな言わなくたっていいでしょ!」



美代は私の六つ年上の姉で、そこそこ人気なメイクアップアーティストとして働いている。


そのため日頃から美意識が高くて、ただ家にいるだけのオフ状態ですら様になっている。