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「ふぅ、一旦、今日の執筆はこんなもんか」
私は今でも、
〝素直〟になるのはどちらかと言うと苦手。
だからね、陣内さん。
私は、
遅咲きでも自分に〝素直〟になってみた。
「............陣内さんのこと、書いてるんだよ」
そう呟いて、
タバコを咥える私の視線の先には、
3年前まで、働いていたコンビニ。
私が初めて〝タバコ〟を吸った2日後。
バイト先に行くと........................
『陣内さん?だれそれ?』
陣内さんのことを誰も知らなかった。
陣内さんはちゃんと存在して。
私にタバコを教えてくれて。
──────私とキスをした人。