「ねー、あんた、これやっといてよ」

「そーそ、あんたにはこれがお似合い」

「じゃ、よろしくー!!」

「........................、」



馬場杏子(ばばきょうこ)って名前があるのに。



バイト先のコンビニの人たちに、
名前も呼ばれず雑用を頼まれることなんてもう慣れた。



もちろん、私だって、
バイト先の人たちと上手くやりたいから。



最初はちゃんと、
コミニュケーションを取ろうとした。



でも、それは、
〝あること〟がキッカケでいとも簡単に。



雑用を頼むだけの、
捨て駒と同じような扱い。



(はぁ、.........バイト、辞めたいんですけど、)



そう、何度思っても、
店長ですら、辞めさせてくれないのだ。



私は、
──────雑用するために便利だから。