「涼し~」
入っただけで気持ちよかったコンビニの中、レジの前を通ってアイスの入った冷凍庫まで。ここまで歩いて来たからアイスを覗き込めば顔に冷気が当たってずっとここにいたい気分。
「市野、何にする?」
「ん~何にしよっかな~、牧は?決まった?」
「私は…決まった!」
「俺も」
「「バニラバー」」
2人して同じものを指差した。
だから指先を見て、そのまま隣を見て、目を合わせてお互いに笑った。
「今日は1つじゃなくてよかったな」
市野がバニラバーを2つ取って1つくれた。
「ありがと」
「俺ら本当気が合うよね」
はいって、笑いながら。
「大学入ったばっかの時もそうだったし」
「私たちが初めて話した日ね…」
2年前の春、まだ慣れない新生活が始まったばかりの頃。
学食でトレーを持ちながら、どの小鉢にしようかなってまじまじと見てた。
きんぴらごぼうとか肉じゃがとかほうれん草の白和えと、いくつか種類のある中でこれだと決めて手を伸ばした。
「まさか最後のポテトサラダでお見合いするとはね~!」
「同時だったよね、1つの小鉢に私の手と市野の手がギリ重ならない!みたいな」
「そうそう、うわっ気まず!って思ってたら2人ともロコモコ丼頼んでてさ、食堂のおばちゃんから渡された時は笑ったよな」
「あれは逆にロコモコ丼頼んでおいてよかったよね」
結局そのポテトサラダは私に譲ってくれた。普通のポテトサラダだったけど、やたら頬が緩むポテトサラダだったのを覚えてる。
「マジでこれが恋の始まりか!?って思ったし、大学やべぇって」
バニラバーを持ってレジへ歩き出した市野の背中を見ながら、そんなに笑わないでよって思った。
私は始まってたよ。
あの日からずっとまだ終わってない。
それとも手が重なってたら、市野も始まってたのかな?
「俺ら本当好きなもん同じだよね」
振り返って私の方を見る。
「牧の好みだいたいわかるし」
でも本当に好きなものは知らないでしょ。
気付いてもいないでしょ。
それから2年も片想いしちゃったんだから。
入っただけで気持ちよかったコンビニの中、レジの前を通ってアイスの入った冷凍庫まで。ここまで歩いて来たからアイスを覗き込めば顔に冷気が当たってずっとここにいたい気分。
「市野、何にする?」
「ん~何にしよっかな~、牧は?決まった?」
「私は…決まった!」
「俺も」
「「バニラバー」」
2人して同じものを指差した。
だから指先を見て、そのまま隣を見て、目を合わせてお互いに笑った。
「今日は1つじゃなくてよかったな」
市野がバニラバーを2つ取って1つくれた。
「ありがと」
「俺ら本当気が合うよね」
はいって、笑いながら。
「大学入ったばっかの時もそうだったし」
「私たちが初めて話した日ね…」
2年前の春、まだ慣れない新生活が始まったばかりの頃。
学食でトレーを持ちながら、どの小鉢にしようかなってまじまじと見てた。
きんぴらごぼうとか肉じゃがとかほうれん草の白和えと、いくつか種類のある中でこれだと決めて手を伸ばした。
「まさか最後のポテトサラダでお見合いするとはね~!」
「同時だったよね、1つの小鉢に私の手と市野の手がギリ重ならない!みたいな」
「そうそう、うわっ気まず!って思ってたら2人ともロコモコ丼頼んでてさ、食堂のおばちゃんから渡された時は笑ったよな」
「あれは逆にロコモコ丼頼んでおいてよかったよね」
結局そのポテトサラダは私に譲ってくれた。普通のポテトサラダだったけど、やたら頬が緩むポテトサラダだったのを覚えてる。
「マジでこれが恋の始まりか!?って思ったし、大学やべぇって」
バニラバーを持ってレジへ歩き出した市野の背中を見ながら、そんなに笑わないでよって思った。
私は始まってたよ。
あの日からずっとまだ終わってない。
それとも手が重なってたら、市野も始まってたのかな?
「俺ら本当好きなもん同じだよね」
振り返って私の方を見る。
「牧の好みだいたいわかるし」
でも本当に好きなものは知らないでしょ。
気付いてもいないでしょ。
それから2年も片想いしちゃったんだから。