「ひいっ!」
ドアを乱暴に開けて、室内を一瞥すると、怯えている男がいた。
「支部のリーダーなんだろ? 情けない。せめて、俺に斬りかかってくるぐらいしろよ」
ヴィアザは溜息を吐きながら、言った。
「なんでも渡す! だから、命だけはっ!」
「じゃあ、本部の地図」
「ほ、ほらっ!」
男は怯えながら、分厚い羊皮紙を渡してきた。
「本物、だよな?」
その言葉に何度も男がうなずいた。
「なら、もらっておく。だが、貴様の死に場所はここだ。それは変わらん」
ヴィアザは冷たく言い放つと、怯える男の首を斬り落とした。
なにも言えなくなったそれを、冷ややかに眺めながら、ヴィアザは抽斗などを漁り始めた。
しかし、役に立ちそうなものは見つからなかった。
舌打ちをして支部を後にし、待ち合わせの場所までフードを被って駆け出した。
「無事だな」
「それだけの怪我ですんだのなら、まだいいかもしれないわね」
セリーナとヴィアザは互いを見つけるや、苦笑した。
「貴族街の支部のリーダーから、もらってきた」
ヴィアザが今まさに潰そうとしている、本部の地図を見せた。
「ふうん。こういう造りなのね。うん、大丈夫」
セリーナはそれをじっと見て、構造を頭に叩き込んだ。
「じゃあ、仕上げといくか」
「ええ」
セリーナはニコッと笑うと、リヴォルバーのグリップをつかんだ。
「用件を聞こう」
「自分の都合のいいように、他人の命を奪う連中がくる場所だと聞いたが? 俺達はそんな奴らを、殺しにきた」
ヴィアザは低い声で言い、ニヤリと嗤った。
「噂でしかないが、ずいぶんと調子に乗っているというか、やりすぎているとは思っていた」
「そうか。俺達のことは見なかったことにしてくれ。そして、俺達がここを潰すということも、胸の中に仕舞っておけるか?」
「なぜ、そんなことを聞く?」
「それができるなら、見逃してもいいと思っている」
「……わ、分かった。すぐにここからいなくなればいいのか」
「そうだ。じゃあな」
ヴィアザは門番から離れると、セリーナに視線を投げた。
彼らが屋敷の中に入るのと、二人の門番がいなくなるのが、同時だった。
「ほう。大勢いるな」
ヴィアザは視線を投げた。
目の前には剣を装備した男達がごまんといた。
「ちょっと」
「なんだ?」
近くにきたセリーナをヴィアザは横目で見た。
「あたしは階段の上から狙撃する。それまで暴れるのは待って」
セリーナは人の間を縫っていき、階段を駆け上がった。
二階はバルコニーとなっていて、人はいなかった。
セリーナは背中に回していたウノメナを構えて、弾を込めた。
会場の真ん中にいる男に狙いを定めて、引き金を引いた。
その弾丸は男の心臓を撃ち抜いた。男は即死。どさりと倒れ、どくどくと血で床を汚していく。
「きゃあっ!」
女の悲鳴で、周囲に動揺が広がった。
「誰がやった!」
「こっちへ逃げろっ!」
「誰も、逃がさない」
ヴィアザは出入口を塞ぐように、立ちはだかった。
ドアを乱暴に開けて、室内を一瞥すると、怯えている男がいた。
「支部のリーダーなんだろ? 情けない。せめて、俺に斬りかかってくるぐらいしろよ」
ヴィアザは溜息を吐きながら、言った。
「なんでも渡す! だから、命だけはっ!」
「じゃあ、本部の地図」
「ほ、ほらっ!」
男は怯えながら、分厚い羊皮紙を渡してきた。
「本物、だよな?」
その言葉に何度も男がうなずいた。
「なら、もらっておく。だが、貴様の死に場所はここだ。それは変わらん」
ヴィアザは冷たく言い放つと、怯える男の首を斬り落とした。
なにも言えなくなったそれを、冷ややかに眺めながら、ヴィアザは抽斗などを漁り始めた。
しかし、役に立ちそうなものは見つからなかった。
舌打ちをして支部を後にし、待ち合わせの場所までフードを被って駆け出した。
「無事だな」
「それだけの怪我ですんだのなら、まだいいかもしれないわね」
セリーナとヴィアザは互いを見つけるや、苦笑した。
「貴族街の支部のリーダーから、もらってきた」
ヴィアザが今まさに潰そうとしている、本部の地図を見せた。
「ふうん。こういう造りなのね。うん、大丈夫」
セリーナはそれをじっと見て、構造を頭に叩き込んだ。
「じゃあ、仕上げといくか」
「ええ」
セリーナはニコッと笑うと、リヴォルバーのグリップをつかんだ。
「用件を聞こう」
「自分の都合のいいように、他人の命を奪う連中がくる場所だと聞いたが? 俺達はそんな奴らを、殺しにきた」
ヴィアザは低い声で言い、ニヤリと嗤った。
「噂でしかないが、ずいぶんと調子に乗っているというか、やりすぎているとは思っていた」
「そうか。俺達のことは見なかったことにしてくれ。そして、俺達がここを潰すということも、胸の中に仕舞っておけるか?」
「なぜ、そんなことを聞く?」
「それができるなら、見逃してもいいと思っている」
「……わ、分かった。すぐにここからいなくなればいいのか」
「そうだ。じゃあな」
ヴィアザは門番から離れると、セリーナに視線を投げた。
彼らが屋敷の中に入るのと、二人の門番がいなくなるのが、同時だった。
「ほう。大勢いるな」
ヴィアザは視線を投げた。
目の前には剣を装備した男達がごまんといた。
「ちょっと」
「なんだ?」
近くにきたセリーナをヴィアザは横目で見た。
「あたしは階段の上から狙撃する。それまで暴れるのは待って」
セリーナは人の間を縫っていき、階段を駆け上がった。
二階はバルコニーとなっていて、人はいなかった。
セリーナは背中に回していたウノメナを構えて、弾を込めた。
会場の真ん中にいる男に狙いを定めて、引き金を引いた。
その弾丸は男の心臓を撃ち抜いた。男は即死。どさりと倒れ、どくどくと血で床を汚していく。
「きゃあっ!」
女の悲鳴で、周囲に動揺が広がった。
「誰がやった!」
「こっちへ逃げろっ!」
「誰も、逃がさない」
ヴィアザは出入口を塞ぐように、立ちはだかった。