それから一夜とは見かけるとよく挨拶をするようになり、大会にも誘ってくれるほど仲がよくなった。



亜芽(あめ)、もしも明日の大会でベスト三位以内に入ったら、俺と付き合って」


「…え?」



帰っている途中で突然一夜に呼び止められたかと思うと、本当に突然そんなことを言われた。


やっと言葉の意味を理解した私はその場で号泣してしまい、きっと一夜に私の気持ちはバレバレだっただろうにその宣言通り見事ベスト三位を決めた一夜に改めて告白をされ、私たちは付き合うことになった。


その時の私もこれでもかってくらいに号泣してしまい、一夜が笑いながらも優しく抱きしめてくれたのを覚えている。



そんな幸せな回想をしていると、ふと頭をよぎったのはボブ頭の小柄な可愛らしい女の子。


一夜は人気者な分、それはそれは女の子からもモテる。


たまたまみんなよりも先に一夜と出会って、たまたま仲良くなったから私は今奇跡的に一夜と付き合えているけど、もしもそうじゃなかったら。


そう考えることが多くなってきた。