やはり、愛情は少しはあったのだと嬉しくて、嬉しくて、彩葉は思わず泣きそうになってしまった。
「楽しみだわ、あんたが処刑される報告を聞くのがね!」
___彩葉は先程までの期待が粉々に打ち砕かれた気がした。
「そうだな、早く処刑されたほうが、お前のためだろう。たくさん粗相をする前に処刑されたほうがいいんじゃないか?」
冬司まで秋穂に同意する。彩葉はまた、言いようのない震えに襲われた。
(___最初から期待してはいけなかったのですね.......)
「......行って、きます」
一言だけ、家族に言うと彩葉は馬車に乗り込んだ。
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