(寝てしまったみたいです)




次に目覚めると見えたのは自室の天井だった。


あのまま、服を持って、自室に行ったことまでは覚えている。そして、そのまま寝てしまったらしい。


(昨日の仕事、さぼってしまいました。やらなければいけないことがたくさんあったはずなのに)


特に昨日は春華に言いつけられていた、服の洗濯ができてなかったことで、機嫌が悪いはずだ。


仕打ちもそれに増してひどくなるだろう。今日はどんな仕打ちが待っているのか。


むち打ちで済んだらいいほうだ。最悪は火をあてられたり、外に放り出されたりする可能性さえある。


(私があんなミスをしてしまったから.......)


考えるだけで震えそうになる。



「彩葉さま、旦那さまがお呼びです」



ほら、来た。


いつもは必要以上に関わろうとしない、この屋敷の使用人、(みお)が話しかけてきた。


やはり、なにかいつもよりすごい仕打ちがあるのだ。


しかも、部屋に呼ばれるということは相当だ。父・冬司(とうじ)は部屋が汚れるといって、彩葉を入れることは一度もなかった。