___無能。
体の中を電流が走り抜けたように動けなくなった。
そう、彩葉は”無能”だった。
四季国は彩りの国という別名がある。
生まれてくる子供はみな、赤ん坊であっても、彩りの力が宿っている。それなのに彩葉にはずっと彩りの力が何年たっても、何年たっても、宿ることはなかった。
血がつながっていないのもあるが、無能だということが一番の虐げられる理由だった。
「......申し訳、ありませんでした」
声はか細く、ほとんど聞こえないぐらいだったが、どうやら二人はしっかりと聞き取ったらしかった。
「もう、次はないから」
春華はしっかりと釘を刺す。そして、洗わなかった服をわざと、彩葉にかぶせるように投げると秋穂とともに行ってしまった。
彩葉は服を持つとよろよろと立ち上がり、自分の部屋へと戻った。
✿✿✿