今まで家族以外の人間に関わってこなかったという、人見知りの欠点もある。
しかし___。
「行って、みたいです」
「彩葉さま?」
「私、もちろん、後宮に慣れたとは言いませんが、興味があるんです。どんなことが知っておかないと、後々、大変でしょうし。あと、行事にはなるべく参加するべきでしょう?」
「無理はしなくてもいいんですよ?」
「大丈夫です。私自身も娯楽が少ないなとは感じていましたし。茉央さんも楽しめる機会だと思いますし」
「本当ですか?では、行くことにしますよ?」
はい、と頷くと茉央は少し、嬉しそうな笑顔になる。
どうやら、茉央も娯楽に飢えていたらしい。
「衣装も化粧も一品のものにしましょうね!彩葉さま!」
「え?そんな大層なものにしなくてもいいんですよ?園遊会とはいえ、私自身___」