勝手に親近感が湧いたといったら、怒られるだろうか。 彩葉は少しだけ、後宮に来たという現実味が出てきて、ぴしっと背筋を伸ばす。そして、そのまま、ゆっくり頭を下げた。 「茉央さん、これから、よろしくお願いします」 こうして、彩葉の後宮生活は始まったのだった。