春高予選、2次ラウンドのレギュラーが発表される。
インターハイ県ベスト8以上と1次ラウンドを突破した12チームによる計20チームの戦いとなり、そのベスト8に残ったチームが引き続き最終ラウンド(11月)として春高の県代表となる優勝校を決める。
インターハイ県ベスト4の柏手高校は2次ラウンド2回戦からのシード校である。一回勝てば最終ラウンドに行ける。
前衛
ミドルブロッカー:MB、背番号1、キャプテン唯一。
レフト(エース):OH、四葉、背番号4。
セッター:S、五和、背番号5。
後衛
リベロ:L、八千、背番号7。⇔(ミドル対角:MB)土田早希、 背番号9。
アウトサイドヒッター:OH、(レフト対角)飛田二胡、背番号2。
オポジット:OP(スーパーエース、ライト=セッター対角)睦美、背番号8。
以上S2ローテンションでのスターティング。
(* 中高では背番号をポジション番号と合わせている場合も多い。 例1番レフト、2番セッター等々)
私は背番号6でベンチスタート。
「睦美が8で菜々巳が6で、あたしが7……ちょっと背番号と名前考えて欲しいよね」
「八千が背番号8?」
「ハチ~!」
「8じゃない、1000だっ!」
「そっちですの?!」
***
1回戦1セットを取り、2セット目はメンバーを入れ替える。1セット目11点を奪った四葉、ブロックポイント3点、センター攻撃で3点の働きの唯一など、一定の成果を出した選手が変わることで、控選手の試合への距離感を開かせない。
ただスターティングメンバーの内、2/16という決定率の睦美は残された。調子が悪いのか、トスが合わないのか……思えば睦美は今朝からいつもの元気がない。それが影響したりする? 昨日の部活帰りも人と会うとかで先に帰ったけど……。
第2セットが始まる。
オポジット=スーパーエースのポジションでの得点率の低さは士気に関わる。チームの稼ぎ頭でなければならない睦美の調子が悪いだけではなさそうだ。
セッター五和先輩との呼吸が合ってない……オープン攻撃が合ってないのが分かる。そしてそれはトスが悪い訳ではない。
「1回戦だから良いけど、上の方行ったらこれじゃ勝てないわよ」
「先輩、睦美へのオープントスは回転を掛けてあげてください」
「またそれ~? それやって変な癖付いたら嫌だし……」
スパイカーが好むトスは無回転である。セッターは何千何万回と繰り返してきた一定なフォームから正確なトスを上げられるよう修練を積む。
オープントスはその最たるトスである。
そして攻撃の選択肢が限られるとき、コートに立つ6人の誰かで繋いだボールを、ただチャンスボールとして相手に返してしまわないために、少しでも有利に働くよう託されるトスがオープントスであり、ベストではないボールを強打なり最善手で返すのがエースの名のつくアタッカーの使命である。
「私なら睦美にベストのトスを上げられる! 私は睦美にトスを上げたい!」
//////ミニ解説コーナー//////
睦美 「各ポジションの役割って~? S2ローテとか
何~?」
菜々巳 「ローテションはサーブポジション(* ネッ
トを上に見た場合の右下=バックライト)を
『1』として、反時計回りに『6』まで番号を振
ったとき、『S;セッター』がどの番号に居るか
で『S1~S6』の守備位置を示してます」
八千 「S2はセッターがネットを上に見たとき右上=
ライトに居るってことね」
菜々巳 「ポジション別の役割は、OH:アウトサイドヒ
ッター、WS:ウイングスパイカーは基本アタ
ッカーで、セッターの状況により攻撃の選択肢
が少ないときに返球を任されたり、ここぞとい
うときの攻撃面での重要な立ち位置です。コー
トのサイドからの攻撃ですね」
八千 「リベロは大体大丈夫ね?」
睦美 「MBは~ブロックや速攻って~コートの真ん中
~センターポジションでの役割で~、後衛のと
きにリベロと変わることが多いし~、前衛のと
きは~クイック攻撃に備えるから~レシーブし
ないこと多い~」
菜々巳 「その点ではOHの方がしっかりディグやレセプ
ションをもこなすオールマイトな活躍が期待さ
れますね」
睦美 「サーブ~、レシーブ~、アタックー!!」
八千 「セッターもディグに参加しないこと多いよ
ね」
菜々巳 「2打目に触りたいポジションですから……で
も、ボールが自分の守備範囲に来たのなら、セ
ッターもMBだって全員しっかり『繋ぎ』ます
よ」
睦美 「それがバレーの~一番良いところ~」
インターハイ県ベスト8以上と1次ラウンドを突破した12チームによる計20チームの戦いとなり、そのベスト8に残ったチームが引き続き最終ラウンド(11月)として春高の県代表となる優勝校を決める。
インターハイ県ベスト4の柏手高校は2次ラウンド2回戦からのシード校である。一回勝てば最終ラウンドに行ける。
前衛
ミドルブロッカー:MB、背番号1、キャプテン唯一。
レフト(エース):OH、四葉、背番号4。
セッター:S、五和、背番号5。
後衛
リベロ:L、八千、背番号7。⇔(ミドル対角:MB)土田早希、 背番号9。
アウトサイドヒッター:OH、(レフト対角)飛田二胡、背番号2。
オポジット:OP(スーパーエース、ライト=セッター対角)睦美、背番号8。
以上S2ローテンションでのスターティング。
(* 中高では背番号をポジション番号と合わせている場合も多い。 例1番レフト、2番セッター等々)
私は背番号6でベンチスタート。
「睦美が8で菜々巳が6で、あたしが7……ちょっと背番号と名前考えて欲しいよね」
「八千が背番号8?」
「ハチ~!」
「8じゃない、1000だっ!」
「そっちですの?!」
***
1回戦1セットを取り、2セット目はメンバーを入れ替える。1セット目11点を奪った四葉、ブロックポイント3点、センター攻撃で3点の働きの唯一など、一定の成果を出した選手が変わることで、控選手の試合への距離感を開かせない。
ただスターティングメンバーの内、2/16という決定率の睦美は残された。調子が悪いのか、トスが合わないのか……思えば睦美は今朝からいつもの元気がない。それが影響したりする? 昨日の部活帰りも人と会うとかで先に帰ったけど……。
第2セットが始まる。
オポジット=スーパーエースのポジションでの得点率の低さは士気に関わる。チームの稼ぎ頭でなければならない睦美の調子が悪いだけではなさそうだ。
セッター五和先輩との呼吸が合ってない……オープン攻撃が合ってないのが分かる。そしてそれはトスが悪い訳ではない。
「1回戦だから良いけど、上の方行ったらこれじゃ勝てないわよ」
「先輩、睦美へのオープントスは回転を掛けてあげてください」
「またそれ~? それやって変な癖付いたら嫌だし……」
スパイカーが好むトスは無回転である。セッターは何千何万回と繰り返してきた一定なフォームから正確なトスを上げられるよう修練を積む。
オープントスはその最たるトスである。
そして攻撃の選択肢が限られるとき、コートに立つ6人の誰かで繋いだボールを、ただチャンスボールとして相手に返してしまわないために、少しでも有利に働くよう託されるトスがオープントスであり、ベストではないボールを強打なり最善手で返すのがエースの名のつくアタッカーの使命である。
「私なら睦美にベストのトスを上げられる! 私は睦美にトスを上げたい!」
//////ミニ解説コーナー//////
睦美 「各ポジションの役割って~? S2ローテとか
何~?」
菜々巳 「ローテションはサーブポジション(* ネッ
トを上に見た場合の右下=バックライト)を
『1』として、反時計回りに『6』まで番号を振
ったとき、『S;セッター』がどの番号に居るか
で『S1~S6』の守備位置を示してます」
八千 「S2はセッターがネットを上に見たとき右上=
ライトに居るってことね」
菜々巳 「ポジション別の役割は、OH:アウトサイドヒ
ッター、WS:ウイングスパイカーは基本アタ
ッカーで、セッターの状況により攻撃の選択肢
が少ないときに返球を任されたり、ここぞとい
うときの攻撃面での重要な立ち位置です。コー
トのサイドからの攻撃ですね」
八千 「リベロは大体大丈夫ね?」
睦美 「MBは~ブロックや速攻って~コートの真ん中
~センターポジションでの役割で~、後衛のと
きにリベロと変わることが多いし~、前衛のと
きは~クイック攻撃に備えるから~レシーブし
ないこと多い~」
菜々巳 「その点ではOHの方がしっかりディグやレセプ
ションをもこなすオールマイトな活躍が期待さ
れますね」
睦美 「サーブ~、レシーブ~、アタックー!!」
八千 「セッターもディグに参加しないこと多いよ
ね」
菜々巳 「2打目に触りたいポジションですから……で
も、ボールが自分の守備範囲に来たのなら、セ
ッターもMBだって全員しっかり『繋ぎ』ます
よ」
睦美 「それがバレーの~一番良いところ~」