街を歩いていると
どこからともなく、
何度も流れてくる歌が
あった。
狼のアシェルがよく知る歌だ。
それは自分で作曲作詞したもののはず
だった。
ハッカーにより
アカウントが奪われて、
自分名義のクレジットも勝手に
変更されていた。
ズボンのポケットに両手をつっこんで、
平然と歩く。
隣にはリアムがいた。
ひとときの休憩時間を一緒に過ごしていた。
2人でハンバーガーショップにでも行こうと誘われて、着いていたリアムの心中は穏やかでは無かった。
「どう考えてもおかしいと思わない?」
「は?何が?」
「ほら、今流れてる歌。
アシェルの歌なんでしょう?」
「おう、まさか俺が作った歌が
街中で流れるなんてゾクゾクするぜ。」
リアムは、アシェル本人よりも怒りが
止められない。
アシェルは思っていたより
イライラしていない。
むしろ、喜んでいる。
「ねぇ!! なんで、
そんなヘラヘラしてられるのさ?
自分の歌を盗まれたのに…。」
「別になぁ。
俺、あまり思い入れなかったからなぁ。
むしろ、俺の曲が世間に
認められたってことが嬉しくて
自信に変わったんだけどさ。」
「だったら、なんで、訴えないの?
思い入れなくても、
あの曲が売れたら、アシェルにも
売上金入るかもしれなかっただろ?」
「…うーん。
別になぁ。
それを訴えて、揉めて揉めて、訴えて
その歌をまた売り出した時に誰が喜ぶの?
歌が泣くよ。聴いてる人も。
売名行為って思われたくないし。
俺は、純粋な気持ちで歌を売りたいし、
聴いてもらいたいからさ。
盗まれてしまったことは悲しいし、
腹立つけど、忘れたことにしてるんだわ。
だから、良いところだけ読み取ってる。
俺には才能があるかもしれないって。」
「……何か、考え方、俺と違うみたい。
そういう考え方あるんだね。
すごいポジティブだけど、
損してる部分もあるよね。」
「俺だって、すぐに稼ぎたいよ。
売れたいし、生活も楽になりたい。
でもさ、
お金お金って求めても、
返ってくるものは
それじゃない気がするんだ。
1番はその時の気持ちが
自分はどう思うかの方が
大事な気がする。
そうしたら、
お金も後からついてくると思わない?
俺は、そんな稼ぎ方をしたい。」
「……なるほど。勉強になるよ。」
「ほら、ここサビの部分。
歌いやすいよね。我ながら。
🎵強さを見せつけろ〜…。
リアム、ただ、演奏するだけじゃなくて
気持ちを伝えるのを忘れずにな。
お客さんを喜ばすことを考えながら。」
アシェルは、上に人差し指を指して、
歌い出す。
リアムは頷いた。
「腹減ったな。ハンバーガー食べて帰ろうぜ。
今日の午後は、メンバー全員で
合わせて演奏してみるって言ってたぞ。」
「ああ。そうだな。
ま、俺は、ほぼほぼ、
完成してるけど。」
「当たり前だろ、
昔からピアノ弾けるやつが
弾けなかったらこっちも困るって。」
「アシェルこそ、歌ばかり練習して、
ギターは大丈夫なの?」
「……まぁ、弾き語りで、
路上ライブとかやったりしてたから。
今回の曲はまだ練習してなかったかな。
何とかなるだろうって。」
混雑するハンバーガーショップに入った。
リアムは
シャキシャキ野菜バーガーセットを
頼んだ。
アシェルはがっつり
ダブルチーズバーガーセットを頼む。
席についてすぐにバーガーに
それぞれありついた。
口の近くにソースやマヨネーズが
ついたのを手で拭った。
食べ物よりも何よりも
午後からのメンバー全員での
セッションが楽しみで2人は仕方
なかった。
どこからともなく、
何度も流れてくる歌が
あった。
狼のアシェルがよく知る歌だ。
それは自分で作曲作詞したもののはず
だった。
ハッカーにより
アカウントが奪われて、
自分名義のクレジットも勝手に
変更されていた。
ズボンのポケットに両手をつっこんで、
平然と歩く。
隣にはリアムがいた。
ひとときの休憩時間を一緒に過ごしていた。
2人でハンバーガーショップにでも行こうと誘われて、着いていたリアムの心中は穏やかでは無かった。
「どう考えてもおかしいと思わない?」
「は?何が?」
「ほら、今流れてる歌。
アシェルの歌なんでしょう?」
「おう、まさか俺が作った歌が
街中で流れるなんてゾクゾクするぜ。」
リアムは、アシェル本人よりも怒りが
止められない。
アシェルは思っていたより
イライラしていない。
むしろ、喜んでいる。
「ねぇ!! なんで、
そんなヘラヘラしてられるのさ?
自分の歌を盗まれたのに…。」
「別になぁ。
俺、あまり思い入れなかったからなぁ。
むしろ、俺の曲が世間に
認められたってことが嬉しくて
自信に変わったんだけどさ。」
「だったら、なんで、訴えないの?
思い入れなくても、
あの曲が売れたら、アシェルにも
売上金入るかもしれなかっただろ?」
「…うーん。
別になぁ。
それを訴えて、揉めて揉めて、訴えて
その歌をまた売り出した時に誰が喜ぶの?
歌が泣くよ。聴いてる人も。
売名行為って思われたくないし。
俺は、純粋な気持ちで歌を売りたいし、
聴いてもらいたいからさ。
盗まれてしまったことは悲しいし、
腹立つけど、忘れたことにしてるんだわ。
だから、良いところだけ読み取ってる。
俺には才能があるかもしれないって。」
「……何か、考え方、俺と違うみたい。
そういう考え方あるんだね。
すごいポジティブだけど、
損してる部分もあるよね。」
「俺だって、すぐに稼ぎたいよ。
売れたいし、生活も楽になりたい。
でもさ、
お金お金って求めても、
返ってくるものは
それじゃない気がするんだ。
1番はその時の気持ちが
自分はどう思うかの方が
大事な気がする。
そうしたら、
お金も後からついてくると思わない?
俺は、そんな稼ぎ方をしたい。」
「……なるほど。勉強になるよ。」
「ほら、ここサビの部分。
歌いやすいよね。我ながら。
🎵強さを見せつけろ〜…。
リアム、ただ、演奏するだけじゃなくて
気持ちを伝えるのを忘れずにな。
お客さんを喜ばすことを考えながら。」
アシェルは、上に人差し指を指して、
歌い出す。
リアムは頷いた。
「腹減ったな。ハンバーガー食べて帰ろうぜ。
今日の午後は、メンバー全員で
合わせて演奏してみるって言ってたぞ。」
「ああ。そうだな。
ま、俺は、ほぼほぼ、
完成してるけど。」
「当たり前だろ、
昔からピアノ弾けるやつが
弾けなかったらこっちも困るって。」
「アシェルこそ、歌ばかり練習して、
ギターは大丈夫なの?」
「……まぁ、弾き語りで、
路上ライブとかやったりしてたから。
今回の曲はまだ練習してなかったかな。
何とかなるだろうって。」
混雑するハンバーガーショップに入った。
リアムは
シャキシャキ野菜バーガーセットを
頼んだ。
アシェルはがっつり
ダブルチーズバーガーセットを頼む。
席についてすぐにバーガーに
それぞれありついた。
口の近くにソースやマヨネーズが
ついたのを手で拭った。
食べ物よりも何よりも
午後からのメンバー全員での
セッションが楽しみで2人は仕方
なかった。