Bスタジオで舞台【うさぎとかめ】の
オーディションが行われていた。
本格的な大きなセットの中に
広い芝生と小高い丘、
草花が咲いていた。
練習をしているのか
カメ役のタートルが歩いていた。
リアムは
このオーディションの段取りが
書かれたプリントを読んで、
指定の席に座った。
「このたびはお忙しい中、
お集まりいただきありがとうございます。
早速、舞台【うさぎとかめ】のうさぎ役
オーディションを開催します。
進行させていただくのは
私、ノアが担当いたします。
よろしくお願い致します。」
ADのような立ち姿のもぐらのノアは
軽くお辞儀した。
「また、今回の審査員であります
プロデューサーのジェマンドさんです。」
ジェマンドは名前を呼ばれて
耳をキュッと動かした。
席から立ち上がった。
「審査員のジェマンドです。
今回、応募が5人も集まっており、
大変嬉しいです。
最後までよろしくお願いします。」
「では、応募者の方々の自己紹介を
お願いします。
えー、それでは、
左から…はい、レオンさんから
お願いします。」
ノアは、左から順番にということで
うさぎのレオンという青年から指名した。
「はい! レオンと申します。
ドラマ、CM、ライブには
出演経験あります。
これまでの経験を活かして、
挑戦しようと思います。」
レオンは、
耳も長く
目がくっきりしていて
まつげも長い。
全体的に青白い色をしていた。
テレビやCMの出演経験もあり、
メディアの露出も多い。
大手事務所に所属している。
審査員のジェマンドは、手首につけていた
ハイテクなウォッチのボタンを押して、
ロックのエントリーシートを液晶画面に
うつし空中に表示させた。
「はい。ご紹介ありがとうございます。
前もっていただいていました
エントリーシートを拝見しました。
かなり実績のあるんですね。
経験も豊富ということで。
本日、渡しましたアンケートにも
【うさぎとかめ】のうさぎ役ということで
希望ですね。」
「はい。もちろんです。
絶対出演したいという
気持ちをこめて
○をつけました」
ジェマンドは納得したように
頷いていた。
「なるほど。
わかりました。
では、早速模擬試験ということで
かめのタートルさんと
一緒に出演していただきませんか?
ノアさん、台本、どうですか?」
「はい、すぐ準備できます。」
「そしたら、すぐ始めましょう。」
レオンは、台本を渡されるとすぐに
うさぎ役を自分の中に憑依させていた。
「準備はいいですか?
早速ですが、
うさぎとかめの競争シーンを
演じていただきます。」
ノアはカメラにカチンコを向けて
準備をした。
「アクション!!」
という声かけとともにカチンコを
鳴らした。
言葉は少なかったが、
的確な演技をこなしていた。
うさぎもカメも
人工芝生で出来た小高い丘を
駆け上がって、赤いフラッグを
競い合う。
圧倒的に勝ったカメは大いに喜んでいた。
ノアはカチンコを叩いた。
「お疲れ様でした。」
「ありがとうございました。
すごくよかったです。
うさぎらしさが出ていました。
さすがは経験者ですね。」
「お褒めの言葉、光栄です。」
深々とお辞儀した。
「では、次の方どうぞ。」
ノアの指示で
順番に同じように
軽く面接をした後、模擬試験を受けるという
流れができていた。
2人目はライアンといううさぎだった。
全体的に真っ白で
耳が少し折れ曲がっていた。
ちょっと恥ずかしがり屋の性格だった。
3人目はジョージといううさぎだった。
全体的に黄色の毛並みだった。
細長いメガネをつけて
知的、おしゃれに
気の強い性格だった。
4人目はカイといううさぎだった。
毛色は黒い色をしている
自信がなさげでモジモジしている。
5人目はリアム。
鼻は高めで、耳長い
全体的に真っ白の典型的な色だった。
ピアノを得意としていたが、
オーディションでは
アピールしていなかった。
いつもの通りに素のままに
シンプルに表現した。
「カット!!お疲れ様でした。」
「リアムさんでしたっけ。
声は透き通る声で聴き心地は
いいんですけど
走り格好が…なんとも。」
「あ、すいません。
走り方が独特だといつも言われます。」
「特徴あるのいいんだけど
今回の作品では…。」
「あー…そうですね。」
なんとも言えない表情をするリアム。
「それでは、このオーディションの結果は
1週間後、選ばれた方にお電話を
差し上げます。
電話がなかった方は
ごめんなさい。
またの応募をお待ちしております。
よろしくお願いします。
本日はお忙しい中、
ありがとうございました。」
ノアはお開きということで
応募者に出口を案内した。
トボトボと歩いていると
プロデューサーのジェマンドは、
レオンを追いかけ、何かを話している。
明らかに悪い話ではなさそうで、
レオンの表情が急に
明るくなるのがわかる。
すぐに結果は出てるんじゃないのかと
リアムは、ため息をついた。
「なぁ、聞いた?
アンケートに答えたのに俺
出演できるって。
ほっとしたよ。」
「そうなん?
俺もさっき、言われたよ。
俺は【不思議の国のアリス】の出演が
決まったよ。」
「俺は、【いなばのしろうさぎ】だよ。
てか【うさぎとかめ】って募集してたけど
よかったな。どこでもいいよなぁ。」
「そうだな。
配役があるだけマジでラッキーだわ。」
そう言いながら、ライアンとジョージの
2人は出口に向かっていた。
それを聞いたリアムは、
人見知りが激しいカイに話しかけた。
「なぁ。」
「え、へ? どうしました?」
「何に出演決まったか教えて?」
「わ、私は…。
えっと、さっき言われたのは
【かちかち山】です。
演技ならなんとかなりそうです。」
両手をモジモジといじりながら
答えるカイ。
リアムは本当に納得できなかった。
募集していたうさぎはレオンが
やることになった。
リアムはなんのためにこれに
応募したんだろう。
リアムは答えがわかる返事を
待ちたくなかった。
レオンと話している
プロデューサーのジェマンドに近寄った。
オーディションが行われていた。
本格的な大きなセットの中に
広い芝生と小高い丘、
草花が咲いていた。
練習をしているのか
カメ役のタートルが歩いていた。
リアムは
このオーディションの段取りが
書かれたプリントを読んで、
指定の席に座った。
「このたびはお忙しい中、
お集まりいただきありがとうございます。
早速、舞台【うさぎとかめ】のうさぎ役
オーディションを開催します。
進行させていただくのは
私、ノアが担当いたします。
よろしくお願い致します。」
ADのような立ち姿のもぐらのノアは
軽くお辞儀した。
「また、今回の審査員であります
プロデューサーのジェマンドさんです。」
ジェマンドは名前を呼ばれて
耳をキュッと動かした。
席から立ち上がった。
「審査員のジェマンドです。
今回、応募が5人も集まっており、
大変嬉しいです。
最後までよろしくお願いします。」
「では、応募者の方々の自己紹介を
お願いします。
えー、それでは、
左から…はい、レオンさんから
お願いします。」
ノアは、左から順番にということで
うさぎのレオンという青年から指名した。
「はい! レオンと申します。
ドラマ、CM、ライブには
出演経験あります。
これまでの経験を活かして、
挑戦しようと思います。」
レオンは、
耳も長く
目がくっきりしていて
まつげも長い。
全体的に青白い色をしていた。
テレビやCMの出演経験もあり、
メディアの露出も多い。
大手事務所に所属している。
審査員のジェマンドは、手首につけていた
ハイテクなウォッチのボタンを押して、
ロックのエントリーシートを液晶画面に
うつし空中に表示させた。
「はい。ご紹介ありがとうございます。
前もっていただいていました
エントリーシートを拝見しました。
かなり実績のあるんですね。
経験も豊富ということで。
本日、渡しましたアンケートにも
【うさぎとかめ】のうさぎ役ということで
希望ですね。」
「はい。もちろんです。
絶対出演したいという
気持ちをこめて
○をつけました」
ジェマンドは納得したように
頷いていた。
「なるほど。
わかりました。
では、早速模擬試験ということで
かめのタートルさんと
一緒に出演していただきませんか?
ノアさん、台本、どうですか?」
「はい、すぐ準備できます。」
「そしたら、すぐ始めましょう。」
レオンは、台本を渡されるとすぐに
うさぎ役を自分の中に憑依させていた。
「準備はいいですか?
早速ですが、
うさぎとかめの競争シーンを
演じていただきます。」
ノアはカメラにカチンコを向けて
準備をした。
「アクション!!」
という声かけとともにカチンコを
鳴らした。
言葉は少なかったが、
的確な演技をこなしていた。
うさぎもカメも
人工芝生で出来た小高い丘を
駆け上がって、赤いフラッグを
競い合う。
圧倒的に勝ったカメは大いに喜んでいた。
ノアはカチンコを叩いた。
「お疲れ様でした。」
「ありがとうございました。
すごくよかったです。
うさぎらしさが出ていました。
さすがは経験者ですね。」
「お褒めの言葉、光栄です。」
深々とお辞儀した。
「では、次の方どうぞ。」
ノアの指示で
順番に同じように
軽く面接をした後、模擬試験を受けるという
流れができていた。
2人目はライアンといううさぎだった。
全体的に真っ白で
耳が少し折れ曲がっていた。
ちょっと恥ずかしがり屋の性格だった。
3人目はジョージといううさぎだった。
全体的に黄色の毛並みだった。
細長いメガネをつけて
知的、おしゃれに
気の強い性格だった。
4人目はカイといううさぎだった。
毛色は黒い色をしている
自信がなさげでモジモジしている。
5人目はリアム。
鼻は高めで、耳長い
全体的に真っ白の典型的な色だった。
ピアノを得意としていたが、
オーディションでは
アピールしていなかった。
いつもの通りに素のままに
シンプルに表現した。
「カット!!お疲れ様でした。」
「リアムさんでしたっけ。
声は透き通る声で聴き心地は
いいんですけど
走り格好が…なんとも。」
「あ、すいません。
走り方が独特だといつも言われます。」
「特徴あるのいいんだけど
今回の作品では…。」
「あー…そうですね。」
なんとも言えない表情をするリアム。
「それでは、このオーディションの結果は
1週間後、選ばれた方にお電話を
差し上げます。
電話がなかった方は
ごめんなさい。
またの応募をお待ちしております。
よろしくお願いします。
本日はお忙しい中、
ありがとうございました。」
ノアはお開きということで
応募者に出口を案内した。
トボトボと歩いていると
プロデューサーのジェマンドは、
レオンを追いかけ、何かを話している。
明らかに悪い話ではなさそうで、
レオンの表情が急に
明るくなるのがわかる。
すぐに結果は出てるんじゃないのかと
リアムは、ため息をついた。
「なぁ、聞いた?
アンケートに答えたのに俺
出演できるって。
ほっとしたよ。」
「そうなん?
俺もさっき、言われたよ。
俺は【不思議の国のアリス】の出演が
決まったよ。」
「俺は、【いなばのしろうさぎ】だよ。
てか【うさぎとかめ】って募集してたけど
よかったな。どこでもいいよなぁ。」
「そうだな。
配役があるだけマジでラッキーだわ。」
そう言いながら、ライアンとジョージの
2人は出口に向かっていた。
それを聞いたリアムは、
人見知りが激しいカイに話しかけた。
「なぁ。」
「え、へ? どうしました?」
「何に出演決まったか教えて?」
「わ、私は…。
えっと、さっき言われたのは
【かちかち山】です。
演技ならなんとかなりそうです。」
両手をモジモジといじりながら
答えるカイ。
リアムは本当に納得できなかった。
募集していたうさぎはレオンが
やることになった。
リアムはなんのためにこれに
応募したんだろう。
リアムは答えがわかる返事を
待ちたくなかった。
レオンと話している
プロデューサーのジェマンドに近寄った。