一通りの検査を終えると、俺たちは医師に呼ばれた。
(予定日は?性別は?)聞きたいことはたくさんあった。

しかし誰よりも早く、医師が口を開いた。

「上田さん。大きな病院で検査を受けて下さい。紹介状を書きますから」

「それはどういう…」

「詳しい事は私からはお話し出来ません。ただ妊娠はしていません。今申し上げられるのはそれだけです」

妊娠はしていない。しかも検査。

「フライングだったね〜」

帰り道やっと南が口を開いた。

「なんかごめん。期待させるようなこと言って」

「慧、私どうなるのかな?」

「ま、何とかなるよね」

そして最後まで、彼女は強い生命力をみせる。それが、みなみ自身を苦しめたかもしれない。最近ふとそう思う。

みんなのために、生きながらえてれたんだよな。きっと。