翌日は、駅での待ち合わせだった。


「行ってきます!」


「行ってらっしゃい」

みんな、私のために見送ってくれた。


「ふっふふーん」


私は、ものすごく浮かれていた。


信号で、青を確認して渡ろうとしたとき足がおぼついた。


あ、やばい。倒れると思った。




キキィー
    ドンッー



次に聞こえたのは、車のブレーキ音、だった。



気が付くと、私は地面に倒れていた。


あぁ、段々と体から血の気が引いていく。


もう、私は死ぬかもしれないと思った。



空翔、ありがとう。君にさようならをする時が来たみたい。


ありがとう。でも、私の"好き”という気持ちを伝えられなかったのがどうしても心残りだ。


感情探し。楽しかった。


余命僅かだった1年のうちの数ヶ月。


人生最高の月だった。


生まれ変わって、君のそばにいられたら今度は余命なんて関係なしに会いに行くね。

                             きおく
これが空翔に伝わるかは、分からないけれど。君と過ごした大切な時間。


忘れない。


ありがとう。また、逢おうね。


そう思い、私はゆっくりと瞼を閉じた。