「カンパーイ!」

そう言って、同時に缶ジュースのプルトップを開けた。


口に運ぶと甘いオレンジジュースの味が口いっぱいに広がった。


「愛、これ美味い」

そう言って差し出してきたのは、ポテトチップスの塩味。


「ポテチは、美味しいよね」


「あぁ」


そうやって、おやつを食べた。ソフトクリームのアイスとかキャラメルラテ味の棒アイスなどたくさん食べた。


今しかない。そう思って口を開いた。


「ねぇ、旅行行かない?」


「いつ?」


「明後日」


「どこ行くんだ?」


「長崎」


「は?」

私の思わぬ返答にあっけにとられて口がふさがっていない空翔。


「いいじゃん」


「最後の思い出だしさ」


しばらく、空翔は黙っていた。


その後、「分かった」と言ってくれた。


やったぁ!最初で最後の旅行だ!


その夜も私は興奮で一睡も出来なかった。