別に、家族が嫌いだった訳では無い。
 ただ私がひとりで色々考えて凹んで死にたくなるだけだった。


 私の家はマンションでそこそこ高い階に住んでいた。

 何度も何度も窓に出ては飛び降りる勇気もなく外をぼんやりと見ているだけだった。

 「死にたい」

 この気持ちに嘘はなかったと思う。
 その気持ちは紛れもない私のホントだった。

 でもそんな事誰にでも言えるわけなく、1日は過ぎていく。

 「目離したら死にそう」

 ある時友人に言われたことだった。

 「私は虫か?」

 その時は軽いノリで受け流していた。
 だけど本当はバレていたのかもしれない。
 どうしようもなく死にたかった気持ちが、本当は誰かに相談したかった事が。