
- 作品番号
- 1723329
- 最終更新
- 2024/05/05
- 総文字数
- 16,763
- ページ数
- 1ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 23
- ランクイン履歴
-
総合35位(2024/05/12)
ヒューマンドラマ3位(2024/05/12)
普通って、なに?
みんなとは違う栗色の髪が視界の端をちらつくたびに、私はいつも思っていた。
息苦しかった。生き辛かった。
けれど。
「あたしらは、仲間だよ」
あの日、彼女と出会った日から。
私の毎日は静かに、でも少しずつ着実に、変わっていったんだ。
- あらすじ
- 高校三年生の村重紗織は、生まれつき髪の色が栗色だった。
自分だけが、周囲とは違う。
そんな日々に悩み、息苦しさを感じながら過ごしていた新学期のある日、同じ栗色の瞳を持つ宮本陽菜夏と出会う。
「あたしらは、仲間だよ」
時々授業をサボってマイペースな陽菜夏と過ごす時間は楽しく、心地良く、紗織は充実感を覚えていた。
しかし、受験が近づくにつれて紗織はそんな日々を続けられなくなってしまい……?
この作品の感想ノート
理不尽なルールに縛られ、苦しみ、悩んでいる姿は、とても等身大で、冒頭で物語の世界に入り込んでいました。
“同じでなければならない”というルールは、改めて見直すべきですね、彼女たちのように悩み、苦しむ人たちは少なくないでしょうから。
そして同じ悩みを抱く紗織と陽菜夏が出会ってからは、青春しているなと思いました。
やっていることは、とても褒められることではないけれど。
でも、その時間が彼女たちを間違いなく救っていて。
大人と子供の狭間にいる彼女たちが、集団の枠からはみ出すのは、小さな抵抗のようにも感じて。
大人になってしまった私は、彼女たちの時間が、関係がずっと続くわけがないと思いながら読んでいたらので、どんな終わり方を迎えるのか、想像しながら読み進めていました。
そしてその終わり方は、想像以上に苦しかったです。
心の拠り所だったから。
絶対的な味方だと思っていたから。
そんな思いに囚われて、未熟な彼女が発した言葉が、本心ではないとわかっていても、言ってしまったら取り返せない。
言葉の悪い力を感じました。
その小さなトゲが抜けたあのラストは最高でした。
堅苦しい檻から抜け出した彼女たちが、いつまでも自由な世界で笑いあっていますように。
素敵な物語を、ありがとうございました!
容姿は目に見えてしまうから、関係のない人にも好き放題言われてしまいそうで、そう考えると二人は本当に生きづらかっただろうな、と思います。
それでも二人がお互いの理解者になり、居場所になれたことがとても幸せな作品でした。
ラストもすごく優しい気持ちになりました。このテーマで爽やかさを残して書けるのがすごすぎます……。
素敵な作品をありがとうございました!!
矢田川さんのおっしゃっていた「読後感スッキリの新作短編」ってこれですよね!めっちゃよかったです!
やっぱり受験って大きなもので、どこまで行っても最後は孤独な戦いで、どうしても将来を考えなければならなくて…。でも「大人になりたくない」という気持ちにすごく共感しました。
実際、私が去年受験生だったので…。
最後また会うシーンでは驚きと感動で胸がいっぱいで、電車の後ろの窓に頭をぶつけるほどでした!(リアルにぶつけました…)
素敵な作品を、ありがとうございました!
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