「え、…え⁈」
紬は一瞬フリーズすれば声を出して驚いてしまった。
妖の伴侶って、、あの?
「エリに妖の伴侶?じゃあエリはその人の繋ぎに選ばれたということ?」
「ふふ~ん、まあね」
エリは自信有り気の顔でそう答えた。
何ということだ。
驚きすぎて言葉が出てこない。
まさかこんな身近にもう一人、妖の伴侶に選ばれた知人がいたとは。
人間が繋ぎの座に選ばれるだなんて極限られた一部の者のみだけだというのに。
「エリ、どうして…」
「うーん、まあ話せば長いんだけど」
すると私達の目の前には黒い一台のワゴン車が停車した。
「エリお嬢様、お迎えにあがりました~」
助手席の窓が下に下がれば顔を出したのは一人の男性。
スーツ姿に手には黒い手袋をつけ、片手でハンドルを握ればすまし顔でこちらを伺っている。
「は?ちょっと獅門!あれだけ勝手に迎えに来るなと言っておいたのに!!」
エリは男性の姿にビックリすれば声を荒げた。
どうやら知り合いのようだ。
「え~でもこんなに暗いですし~。万が一にでもお嬢に何かあったら俺の首が飛ぶんで」
「だからってこんな校門付近にまで来られたら家の秘密がバレちゃうじゃないの!」
突然やって来たヘラヘラと笑う男性にエリは怒りの眼差しを向ける。
紬はそんな様子を黙って横でみつめていた。
「あの…エリ?」
「あ、ご、ごめんツム!」
漸く紬が隣にいることに気づいたのか、エリはハッとした表情で謝ってくる。
「ん?お嬢そちらの方は?」
男性は紬の姿に気が付くと運転席から身を乗り出し不思議そうに見てくる。
「ああもう仕方ない!ツム、今は黙って車乗って!」
「え?あ、うん」
もう何がなんだか分からないが促されるまま紬は車に乗車する。
「獅門、取り敢えず家に直行!」
「うっす」
後部座席に乗り込むと同時に車は発進する。
外は時間帯的にはまだそんな遅くはないが日が落ち始めていた。
「全く。なんでアンタは大人しくお留守番の一つも出来ないわけ?」
暫くしてエリが不満げに口を開く。
あんなに慌てる様子のエリは初めて見たと、紬は黙って彼女達の話に耳を傾けた。
「仕方ないじゃないっすか。お嬢ってば俺が連絡しても返してくんないし」
「アンタに話すことなんてないわよ」
「ひど!」
「あ、あの、エリ?お嬢ってどういう…」
二人の会話を聞いてはいるもどうも状況がよく飲み込めない。
突然現れたこの車といいお嬢呼びといい、全くもって理解不能だ。
「ごめんツム。騙すつもりはなかったの」
エリは曇り顔でこちらを向けば申し訳なさそうに誤ってくる。
「繋ぎのこととか家のこととか。本当はもっと早くに話すつもりではいたんだけど。でも真吾のことがあってからは話す機会がなくて」
「お嬢、もしかしてその方が?」
「うん、私の友達の櫻木紬。ツム、コイツは獅門」
「あ、初めまして」
紬が慌てて会釈をして挨拶をすれば、獅門さんは何故か嬉しそうな顔をしていた。
「お嬢から紬さんの話はいつも聞いてますよ。俺も会えて嬉しいっす!」
鏡越しに目が合えば獅門さんはパチリとウインクをしてくる。
性格からいってチャラそうにも見える人だが悪い人ではなさそうだ。
「コイツは普段、私の世話係をしているの。これからもよく会うと思うから宜しくね」
「う、うん。っていうかエリ、エリって一体何者なの?」
「それは家に帰って詳しく話すわ」
そう言って車に揺られること数分。
連れて来られたのはエリの家。
「デカ…」
初めて来たが他の家よりだいぶ大きな造りに口が空いたまま塞がらない。
どこかの豪邸にでも来たかのような気分だ。
「紬さん、荷物持ちますよ」
「あ、ありがとうございます…」
「来てツム、こっちよ」
獅門さんは私達の荷物を受け取ると直ぐ後ろをついてくる。
私は未だよく分からないまま呼ばれればエリの後に続いた。
紬は一瞬フリーズすれば声を出して驚いてしまった。
妖の伴侶って、、あの?
「エリに妖の伴侶?じゃあエリはその人の繋ぎに選ばれたということ?」
「ふふ~ん、まあね」
エリは自信有り気の顔でそう答えた。
何ということだ。
驚きすぎて言葉が出てこない。
まさかこんな身近にもう一人、妖の伴侶に選ばれた知人がいたとは。
人間が繋ぎの座に選ばれるだなんて極限られた一部の者のみだけだというのに。
「エリ、どうして…」
「うーん、まあ話せば長いんだけど」
すると私達の目の前には黒い一台のワゴン車が停車した。
「エリお嬢様、お迎えにあがりました~」
助手席の窓が下に下がれば顔を出したのは一人の男性。
スーツ姿に手には黒い手袋をつけ、片手でハンドルを握ればすまし顔でこちらを伺っている。
「は?ちょっと獅門!あれだけ勝手に迎えに来るなと言っておいたのに!!」
エリは男性の姿にビックリすれば声を荒げた。
どうやら知り合いのようだ。
「え~でもこんなに暗いですし~。万が一にでもお嬢に何かあったら俺の首が飛ぶんで」
「だからってこんな校門付近にまで来られたら家の秘密がバレちゃうじゃないの!」
突然やって来たヘラヘラと笑う男性にエリは怒りの眼差しを向ける。
紬はそんな様子を黙って横でみつめていた。
「あの…エリ?」
「あ、ご、ごめんツム!」
漸く紬が隣にいることに気づいたのか、エリはハッとした表情で謝ってくる。
「ん?お嬢そちらの方は?」
男性は紬の姿に気が付くと運転席から身を乗り出し不思議そうに見てくる。
「ああもう仕方ない!ツム、今は黙って車乗って!」
「え?あ、うん」
もう何がなんだか分からないが促されるまま紬は車に乗車する。
「獅門、取り敢えず家に直行!」
「うっす」
後部座席に乗り込むと同時に車は発進する。
外は時間帯的にはまだそんな遅くはないが日が落ち始めていた。
「全く。なんでアンタは大人しくお留守番の一つも出来ないわけ?」
暫くしてエリが不満げに口を開く。
あんなに慌てる様子のエリは初めて見たと、紬は黙って彼女達の話に耳を傾けた。
「仕方ないじゃないっすか。お嬢ってば俺が連絡しても返してくんないし」
「アンタに話すことなんてないわよ」
「ひど!」
「あ、あの、エリ?お嬢ってどういう…」
二人の会話を聞いてはいるもどうも状況がよく飲み込めない。
突然現れたこの車といいお嬢呼びといい、全くもって理解不能だ。
「ごめんツム。騙すつもりはなかったの」
エリは曇り顔でこちらを向けば申し訳なさそうに誤ってくる。
「繋ぎのこととか家のこととか。本当はもっと早くに話すつもりではいたんだけど。でも真吾のことがあってからは話す機会がなくて」
「お嬢、もしかしてその方が?」
「うん、私の友達の櫻木紬。ツム、コイツは獅門」
「あ、初めまして」
紬が慌てて会釈をして挨拶をすれば、獅門さんは何故か嬉しそうな顔をしていた。
「お嬢から紬さんの話はいつも聞いてますよ。俺も会えて嬉しいっす!」
鏡越しに目が合えば獅門さんはパチリとウインクをしてくる。
性格からいってチャラそうにも見える人だが悪い人ではなさそうだ。
「コイツは普段、私の世話係をしているの。これからもよく会うと思うから宜しくね」
「う、うん。っていうかエリ、エリって一体何者なの?」
「それは家に帰って詳しく話すわ」
そう言って車に揺られること数分。
連れて来られたのはエリの家。
「デカ…」
初めて来たが他の家よりだいぶ大きな造りに口が空いたまま塞がらない。
どこかの豪邸にでも来たかのような気分だ。
「紬さん、荷物持ちますよ」
「あ、ありがとうございます…」
「来てツム、こっちよ」
獅門さんは私達の荷物を受け取ると直ぐ後ろをついてくる。
私は未だよく分からないまま呼ばれればエリの後に続いた。