そして二か月はあっという間に過ぎた。明里は根がまじめのためしっかりジムを毎日仕事帰りに立ち寄り、土日の夜営業前の下ごしらえの時間に手伝いをしながら料理も教えてもらう日々。(しかも下ごしらえの手伝いとして給料ももらっていたためそのお金でジム代も少し賄えている)
劇的な変化とまではいかないのだが不規則な生活も正されて姿勢もよくなり体重も少し減って肌色も明るくなった明里は少しずつ自信を付けていった。
今日はそんな明里にご褒美として一日中、李仁とデート……といいつつも美容院と服屋さんに行き明里に合う髪型や服装を李仁が選んでくれたのだ。
それはそれでうれしかったのだが高身長でイケメンな李仁とデートしたのはとてもうれしかったことであった。
おしゃれになった明里は周りからの羨望のまなざしに優越感に浸り、最高であった。
そして夜は李仁の家で和食定食を一から明里が作ったのだ。
「あなたは手先が器用だからすぐ覚えてくれて、成長もあっという間だったわ」
「いえいえ、李仁さんのおかげです」
「あなたが一生懸命この二か月毎日頑張ったから。本当にすごいわ」
いつも李仁は明里を褒め、ジムでも小林に褒められ、こんなに褒められたことがなかった彼女は肯定感マシマシである。
「自分もこんな料理作れるんだなぁって。なんかすごい」
「うんうん。手間かかって大変だけどいいでしょ。美味しくジャガイモもしみこんでいるし美味しいわ」
こうやって向かい合ってご飯を食べる。最高に幸せである。しかしもう一つの明里の幸せについてである。
「そういえば……先日のパーティはうまくいかなかったんです」
そう、同時進行でいろんな男性を知る為にもと李仁から他の婚活パーティの参加を勧められていたのだがいい出会いは無かった。正直李仁に満足してしまっているというのもあるのだが。
「やっぱり生まれ持った性格は変えられないわね」
「はい。お酒があればなんとかいけそうだけど」
「お酒はダメって言ったでしょ、初対面で」
と李仁は目を吊り上げる。
「はい……そうですよねぇ。だからなんか積極的になれなくて」
自信もついたのになぜ恋となると奥手になってしまうんだろうと明里はうつむく。
李仁も一緒にうーん、と悩んでくれた。が直ぐに何か思い浮かんだようだ。
「無理に新しいところにいかなくてもいいんじゃないかしら」
「えっ、そうですか」
「うんうん、今までにあった人で……」
と明里の婚活サイトの画面を見る。過去の接触履歴も確認しながらあーでもないこーでもないと。
「あー、先ずは練習がてらこの人にしてみたら? 明里ちゃんと同じく真面目さんだから」
手渡されたデータを明里はまじまじと見た。写真を見て思い出す。
一番初めての婚活パーティーで無口でダサくてちんちくりんな眼鏡男のことを。
「あのワンナイトの男と同じ高校教師……」
「しかも友人関係だけどその辺は無視して。公務員だし同じ土日休み……」
明里はデータを見てぎょっとした。
「この人、離婚歴ある! しかも子供もいる。奥さんのところにいるらしいけど」
李仁は笑った。
「普通ここまで丁寧に婚活サイトに載せる人ってなかなかいないわよ。しかもちゃんと毎月養育費払ってますって。すっごい真面目さんね」
「真面目過ぎます……」
「見た目はどうであれ、この人に会ってみない?」
確かに目の前の李仁に比べたら大分劣る……と思いながらも
「はい……何か目標持った方がジムもさらに頑張れるし料理だって……」
めらめらと闘志が燃える。
「そうよ、その調子よ。さぁ、メールを送ってごらん! まだ退会してないから」
「は、はい!!!」
劇的な変化とまではいかないのだが不規則な生活も正されて姿勢もよくなり体重も少し減って肌色も明るくなった明里は少しずつ自信を付けていった。
今日はそんな明里にご褒美として一日中、李仁とデート……といいつつも美容院と服屋さんに行き明里に合う髪型や服装を李仁が選んでくれたのだ。
それはそれでうれしかったのだが高身長でイケメンな李仁とデートしたのはとてもうれしかったことであった。
おしゃれになった明里は周りからの羨望のまなざしに優越感に浸り、最高であった。
そして夜は李仁の家で和食定食を一から明里が作ったのだ。
「あなたは手先が器用だからすぐ覚えてくれて、成長もあっという間だったわ」
「いえいえ、李仁さんのおかげです」
「あなたが一生懸命この二か月毎日頑張ったから。本当にすごいわ」
いつも李仁は明里を褒め、ジムでも小林に褒められ、こんなに褒められたことがなかった彼女は肯定感マシマシである。
「自分もこんな料理作れるんだなぁって。なんかすごい」
「うんうん。手間かかって大変だけどいいでしょ。美味しくジャガイモもしみこんでいるし美味しいわ」
こうやって向かい合ってご飯を食べる。最高に幸せである。しかしもう一つの明里の幸せについてである。
「そういえば……先日のパーティはうまくいかなかったんです」
そう、同時進行でいろんな男性を知る為にもと李仁から他の婚活パーティの参加を勧められていたのだがいい出会いは無かった。正直李仁に満足してしまっているというのもあるのだが。
「やっぱり生まれ持った性格は変えられないわね」
「はい。お酒があればなんとかいけそうだけど」
「お酒はダメって言ったでしょ、初対面で」
と李仁は目を吊り上げる。
「はい……そうですよねぇ。だからなんか積極的になれなくて」
自信もついたのになぜ恋となると奥手になってしまうんだろうと明里はうつむく。
李仁も一緒にうーん、と悩んでくれた。が直ぐに何か思い浮かんだようだ。
「無理に新しいところにいかなくてもいいんじゃないかしら」
「えっ、そうですか」
「うんうん、今までにあった人で……」
と明里の婚活サイトの画面を見る。過去の接触履歴も確認しながらあーでもないこーでもないと。
「あー、先ずは練習がてらこの人にしてみたら? 明里ちゃんと同じく真面目さんだから」
手渡されたデータを明里はまじまじと見た。写真を見て思い出す。
一番初めての婚活パーティーで無口でダサくてちんちくりんな眼鏡男のことを。
「あのワンナイトの男と同じ高校教師……」
「しかも友人関係だけどその辺は無視して。公務員だし同じ土日休み……」
明里はデータを見てぎょっとした。
「この人、離婚歴ある! しかも子供もいる。奥さんのところにいるらしいけど」
李仁は笑った。
「普通ここまで丁寧に婚活サイトに載せる人ってなかなかいないわよ。しかもちゃんと毎月養育費払ってますって。すっごい真面目さんね」
「真面目過ぎます……」
「見た目はどうであれ、この人に会ってみない?」
確かに目の前の李仁に比べたら大分劣る……と思いながらも
「はい……何か目標持った方がジムもさらに頑張れるし料理だって……」
めらめらと闘志が燃える。
「そうよ、その調子よ。さぁ、メールを送ってごらん! まだ退会してないから」
「は、はい!!!」