早速昼にとあるフィットネススタジオにつれられた明里。李仁はもうフィットネスウエアを纏っているが背も高くて体のラインも姿勢も美しい。見惚れてしまう。

「ここは会員制のフィットネスだけど今なら二か月半額、三か月目ならこのお値段だけどいけそう?」
 と値段表をスマートフォンで見せられた。月々5000円から。今の医療事務の給料でまぁそれならとうなずく明里。正直少し出費になるのだが。
「5000円はホリディ会員、土日祝のプランだからあなたは確か医療事務よね」
「はい、土曜日の午後と日祝休みです」
「夜は何時ごろ終わるの」
「夜は早くて19時くらいかな」
「だったら平日も利用できるナイト会員とも組み合わせたプランはどうかしら」
 次に指さされたところは6600円のプラン。明里は+1600円のコースかと苦い顔をする。
「自分を変えたいんでしょ?」
「うっ……は、はい」
 明里はふとこれはデート商法ではないのかと思ったが自分を変えるため……とうなずいた。
 するとカウンターに小顔の若い男性が現れた。スタッフのようだ。
「こちら、私の友達の小林君。人気ナンバーワンのインストラクターさんよ」
と明里は小林に会釈した。
「李仁さん、かわいい子ですね」
「かわいいし、絞りがいあるわよ」
 絞りがい? と明里はびっくりするものの実は初めてのジムに緊張とワクワクでそわそわしていた。

「ではさっそくですが入会特典でウエアと靴もセットですので始めましょう」
「は、はい!!!」
 と早速レッスンに参加する明里であった。