水城明里は地元の子ども病院の医療事務をしている25歳の独身女性。
145センチと背丈は小さめで少しぽっちゃり気味。

 今まで恋人がいないとか経験がないというわけではないのだが、明里の大人しくて遠慮しがちな性格が仇となって長続きしなかったりワンナイトなど不憫な思いをすることが多いのである。
 そして今は一年ほど彼氏がいない状態。ここ数年彼女の周りで同級生や同僚の結婚が続き、ご祝儀のお金が飛ぶのも痛手だが自分は結婚どころか恋人ができる見込みがないという痛みの方が強かった。

 このままでは埒が開かないと意を決して1人で婚活パーティに参加したのだ。
 控えめな性格な割には突拍子もない衝動的な行動をしてしまうのも彼女ならではである。

 そこで参加していた李仁と出会ったということだ。彼はその時明里に自分の店の名刺を渡していた。


 話は戻る。
「聞いてくださいよ。こないだのパーティで連絡取れた人とデートしたんですけどぉー!」
 すっかり明里は美味しいご飯も相まって普段あまり飲まないお酒も進んですぐ酔いが回り人見知りのくせにグダをまきはじめ、愚痴もこぼれる。

「どんな人?」
 李仁は作業をしながら明里の話を聞く。
「こないだの婚活パーティで会ったおっさんなんですけどぉ! ご飯もそこそこにしてすぐホテルに連れ込んで!」
 横にいた中年サラリーマンがギョッとした顔をした。明里はもう酔いが回ってお構い無しだ。

「それ以来なんも連絡無し! ワンナイト……酷すぎるぅうううう!!」
 と明里はわんわん泣き出し机に突っ伏した。
「まぁまぁ……あら」
「寝てるよ、この子」
「困ったわねぇ。まだデザート残ってるのにね」
 李仁は他の客を見つつも苦笑いした。