⋆*
櫂晴と付き合うことになって数週間。
私達の関係は、所謂ラブラブなカップルとは異なっていた。
「華梛、俺今日レッスンだから」
「分かってる。私も塾だから、今日は河川敷行かないよ」
「了解」
そんなさっぱりした会話が成される様子を、七星は物珍しそうに見ていた。
「レッスンレッスンって、あいつまじそればっかじゃない?華梛も塾ばっかだし、休み時間も勉強してるし、何か思ってたのと違うんだけど!」
櫂晴が席へと戻ったあと、七星はあからさまな不満を口にした。
何故本人の私達より、七星が不満を持っているのかは……まあ、なんとなく分かるのだけど。
「いいの。付き合ったからって邪魔にはなりたくないし。私は櫂晴の夢を応援してるんだから」
にっこりと笑みを見せると、七星は頬を膨らます。
「マジ意味わかんない!だって、ぜんっぜん変わってないじゃん!いいの!?あれ!」
びしりと指を差した彼女に、私は静かにその手を下ろさせた。
彼女が差していた先には、教室の後ろ。彼らの定位置で、親しそうに笑う仲良しの集団。
「ね、櫂晴!次の休みはいつ?最近全然来ないじゃん!たまにはいいじゃん!」
その中心にいる櫂晴を誘う女の子の姿は、付き合いだす前から変わっていなかった。
「やめて七星。そんな分かりやすく睨まないで」
「だって!」
信じられないといった風に声を荒げる七星を、宥める。
「大丈夫だよ。ちゃんと連絡取ってるし、話してるし」
怒りをあらわにする彼女の手前、柔らかく笑みを零すことしか出来ないけれど。
正直に言うと、私も気になっていないとは言えない状況だった。
櫂晴と付き合うことになって数週間。
私達の関係は、所謂ラブラブなカップルとは異なっていた。
「華梛、俺今日レッスンだから」
「分かってる。私も塾だから、今日は河川敷行かないよ」
「了解」
そんなさっぱりした会話が成される様子を、七星は物珍しそうに見ていた。
「レッスンレッスンって、あいつまじそればっかじゃない?華梛も塾ばっかだし、休み時間も勉強してるし、何か思ってたのと違うんだけど!」
櫂晴が席へと戻ったあと、七星はあからさまな不満を口にした。
何故本人の私達より、七星が不満を持っているのかは……まあ、なんとなく分かるのだけど。
「いいの。付き合ったからって邪魔にはなりたくないし。私は櫂晴の夢を応援してるんだから」
にっこりと笑みを見せると、七星は頬を膨らます。
「マジ意味わかんない!だって、ぜんっぜん変わってないじゃん!いいの!?あれ!」
びしりと指を差した彼女に、私は静かにその手を下ろさせた。
彼女が差していた先には、教室の後ろ。彼らの定位置で、親しそうに笑う仲良しの集団。
「ね、櫂晴!次の休みはいつ?最近全然来ないじゃん!たまにはいいじゃん!」
その中心にいる櫂晴を誘う女の子の姿は、付き合いだす前から変わっていなかった。
「やめて七星。そんな分かりやすく睨まないで」
「だって!」
信じられないといった風に声を荒げる七星を、宥める。
「大丈夫だよ。ちゃんと連絡取ってるし、話してるし」
怒りをあらわにする彼女の手前、柔らかく笑みを零すことしか出来ないけれど。
正直に言うと、私も気になっていないとは言えない状況だった。