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放課後は雨宮くんとの約束通り学校に残り、塾の課題を進める。
「じゃあねー、仲良くねーっ」
余計な内心が溢れ出た七星の微笑みに、私は少し眉をひそめた。
「わー!怖!」
相変わらず反省のみえない七星は、楽しそうに笑って教室を後にする。
暫くして雨宮くんが七星の椅子を私の机に引き寄せて隣に座った。
ひとつの机に寄せられた椅子。
いつも七星とはこの距離感で座っているものの、やっぱり、男の子とは距離が近いように感じる。
「どこまでやってる?」
いつも通りの雨宮くんに、私は小さく笑った。
やっぱり私の考えすぎだよね。友達だよ友達。
そう思えば、あっという間にいらない緊張は消え去った。
「ここで止まってるんだよね……この公式かなとは思ったんだけど」
「あー……そこか、そこ多分ねその公式の応用で」
理数系で、全国模試トップクラスの雨宮くんはやっぱり優秀だ。
私は元々、文系特化で理数系は並程度の成績だった。だけど、彼と勉強を一緒にするようになってから、驚く程に問題が解けるようになり、校内ではトップクラスと言われるまでに成長した。
高めあえる彼と一緒の時間は落ち着くし、心から尊敬できる。将来はこんな人と家庭を築きたいとも思う。
だけど、やっぱり「好き」という気持ちは分かりそうになかった。
ペンを指先で回転させながら空を見上げると、遠くに帽子を被った雲を見つけた。
ああ……今日折りたたみ傘持ってないや……。
私は、シャーペンの芯を戻し、パタリとノートを閉じた。
「そろそろ帰ろっか」
キリが良い訳でもない場所で急に終わった学習に、雨宮くんは不思議そうに首を傾げる。
「いいけど、なんか予定でもあるの?」
「うん、そんな感じ」
適当に誤魔化した私を深追いすることはなく、雨宮くんはにこりと笑って私と共に校舎を出た。
放課後は雨宮くんとの約束通り学校に残り、塾の課題を進める。
「じゃあねー、仲良くねーっ」
余計な内心が溢れ出た七星の微笑みに、私は少し眉をひそめた。
「わー!怖!」
相変わらず反省のみえない七星は、楽しそうに笑って教室を後にする。
暫くして雨宮くんが七星の椅子を私の机に引き寄せて隣に座った。
ひとつの机に寄せられた椅子。
いつも七星とはこの距離感で座っているものの、やっぱり、男の子とは距離が近いように感じる。
「どこまでやってる?」
いつも通りの雨宮くんに、私は小さく笑った。
やっぱり私の考えすぎだよね。友達だよ友達。
そう思えば、あっという間にいらない緊張は消え去った。
「ここで止まってるんだよね……この公式かなとは思ったんだけど」
「あー……そこか、そこ多分ねその公式の応用で」
理数系で、全国模試トップクラスの雨宮くんはやっぱり優秀だ。
私は元々、文系特化で理数系は並程度の成績だった。だけど、彼と勉強を一緒にするようになってから、驚く程に問題が解けるようになり、校内ではトップクラスと言われるまでに成長した。
高めあえる彼と一緒の時間は落ち着くし、心から尊敬できる。将来はこんな人と家庭を築きたいとも思う。
だけど、やっぱり「好き」という気持ちは分かりそうになかった。
ペンを指先で回転させながら空を見上げると、遠くに帽子を被った雲を見つけた。
ああ……今日折りたたみ傘持ってないや……。
私は、シャーペンの芯を戻し、パタリとノートを閉じた。
「そろそろ帰ろっか」
キリが良い訳でもない場所で急に終わった学習に、雨宮くんは不思議そうに首を傾げる。
「いいけど、なんか予定でもあるの?」
「うん、そんな感じ」
適当に誤魔化した私を深追いすることはなく、雨宮くんはにこりと笑って私と共に校舎を出た。