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 「華梛(はな)!テストどうだった!」

 家から1番近いという理由で進学した高校は、決して優秀な学校ではない。
 そんな高校で2年目の夏を迎えた私、美雲(みくも)華梛(はな)は、優等生として知られている。

 「国語は1位だったよ、七星(ななせ)は?」
 「やっぱ華梛かぁー、私は2位!理数系なんて5位まで落ちちゃったよ、今回皆気合い入ってたのかなぁ」

 短く切りそろえられた前髪に触れた七星は、言葉とは裏腹に大して気にしていない様子で笑った。

 「5位?やった、七星に勝ってたんだ!」
 「えー!?嘘でしょ見せてー!?」

 親しくしている友人がわらわらと集まると、大抵10位近くまでの順位は明らかになる。

 類は友を呼ぶという諺には、割と信憑性を感じていた。
 優秀な人が集まる遠くの高校へ行くほど、高い目標を持っている訳ではない。だからと言って授業で習うことを適当に終わらせるほど学業を疎かにできる訳でもない。

 そんな私たちにとって、テスト前にその範囲を知識として蓄えることは当然のことだった。
 この学校では大方そうすることで学業優秀の優等生に成り上がれる。つまり、友人達も皆同じタイプだった。
 同士たちと刺激し合い、親しく学問を続ける日々は、それなりに楽しい毎日だった。