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 ガタン。ゴトン。

 聞きなれない大きな音が響く室内で私は身体を固くして座っていた。
 身動きが取りにくい重たいシューズを履き、慣れない賑やかな空間で空気に飲まれる。

 「ふぅー!!ストライクー!!」

 多くの友人とハイタッチをしながら帰ってきた相楽くんは、私の前にも両手を向けた。
 鞄を抱えたまま、頑なに手を出さない私に「いぇーい」と両肩を叩き隣にドサッと腰を下ろす。
 ぎゅうぎゅうに詰まった椅子では、彼との距離は当然のように肩と肩は重なり合うほどに近い。
 慣れない距離に、私は静かに周りの様子を伺うことしかできなかった。

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 「美雲、行くぞ」

 放課後になって、片付け終えた鞄を持ち固まっていた。
 そんな私に声をかけたのは、音坂くんだった。

 「う、うん」

 心の中の30%くらい。冗談だったというオチを想像していた。その全てを取り払い覚悟を決めたように立ち上がる。

 「え?美雲さん?どういうこと?」
 「櫂晴?なんか聞いてる?」
 「……さあ?」

 居心地の悪い会話が聞こえる集団へ入るのは、憂鬱どころの騒ぎではないのだけれど。
 覚悟を決めた私は、ぎゅっと唇を噛んで、音坂くんの後に続いた。