⋆*
「シャワー浴びるから待ってて」
誰もいなくなったあと、櫂晴はそう言い残して楽屋を出ていった。
「マイペースは相変わらずか」
ものすごく久しぶりな再会なのに、余韻なんてそこそこにひとりぼっちにされて笑ってしまう。
そわそわと楽屋をひとまわりして、控えめにソファへと腰かけた。
落ち着かない空間に、大学時代の私たちを思い出した。
交際していた頃、私は彼のアパートで帰りを待つ日が多かった。
夜遅くまで練習かバイト。ヘトヘトになって帰る彼に何かしてあげたくて。
彼の家で勉強をしながらちょっとしたご飯を作って待っていた。
「あーーー!終わった!!」
騒々しい音を立てて部屋へなだれ込む彼。
「華梛ー、会いたかったまじで」
ぎゅーっと強く抱きしめられるのが好きだった。
私も嬉しいよ。
そんな気持ちを伝える暇もなく、彼は満足して直ぐにお風呂へと向かう。
ぽつりと残される感覚は、慣れ親しんだものだった。
「何笑ってんの?」
そして突然帰ってくるのもいつものこと。
「え、ちょ、シャワー室から楽屋まで、その格好で来たの!?」
「そうだけど」
上裸にタオルをかけて現れた彼から慌てて顔を逸らす。
「んな、初めて見るわけじゃねーんだから」
「そっ、それはそうだけど!!」
可笑しそうに笑う彼に、私は真っ赤な顔を隠すので必死だった。
そんな……そんなこと普通に言うものですか?
私たち、自然消滅してたんだよ?
会うの5年ぶりだよ?
火照った顔を冷やすように顔を仰ぐ。
彼は、ドライヤーをしながら余裕の笑みでこちらを見つめていた。
「シャワー浴びるから待ってて」
誰もいなくなったあと、櫂晴はそう言い残して楽屋を出ていった。
「マイペースは相変わらずか」
ものすごく久しぶりな再会なのに、余韻なんてそこそこにひとりぼっちにされて笑ってしまう。
そわそわと楽屋をひとまわりして、控えめにソファへと腰かけた。
落ち着かない空間に、大学時代の私たちを思い出した。
交際していた頃、私は彼のアパートで帰りを待つ日が多かった。
夜遅くまで練習かバイト。ヘトヘトになって帰る彼に何かしてあげたくて。
彼の家で勉強をしながらちょっとしたご飯を作って待っていた。
「あーーー!終わった!!」
騒々しい音を立てて部屋へなだれ込む彼。
「華梛ー、会いたかったまじで」
ぎゅーっと強く抱きしめられるのが好きだった。
私も嬉しいよ。
そんな気持ちを伝える暇もなく、彼は満足して直ぐにお風呂へと向かう。
ぽつりと残される感覚は、慣れ親しんだものだった。
「何笑ってんの?」
そして突然帰ってくるのもいつものこと。
「え、ちょ、シャワー室から楽屋まで、その格好で来たの!?」
「そうだけど」
上裸にタオルをかけて現れた彼から慌てて顔を逸らす。
「んな、初めて見るわけじゃねーんだから」
「そっ、それはそうだけど!!」
可笑しそうに笑う彼に、私は真っ赤な顔を隠すので必死だった。
そんな……そんなこと普通に言うものですか?
私たち、自然消滅してたんだよ?
会うの5年ぶりだよ?
火照った顔を冷やすように顔を仰ぐ。
彼は、ドライヤーをしながら余裕の笑みでこちらを見つめていた。