今日は午後に着く王族御用商人と打ち合わせがあるので、書類処理は午前中に済ませておく。
ビアンカ殿下に連絡があって、農商務卿も打ち合せに参加したいと連絡があったので王都に迎えにいった。
うちの昼食が食べたいとリクエストされたので、スラタロウが昼食を作っている内に農商務卿を迎えにいった。
「それで、どうして皆さん揃っているのですか?」
「そりゃ、宮廷料理よりも美味い昼食が食べられるのだ。皆揃うだろう」
いつもの応接室に農商務卿を迎えに行くと、陛下や他の閣僚もスタンバイしていた。
そして、一人初めての人も座っている。
初老って感じの白髪のオールバックでメガネをかけている。
長身で、見るからにできる人だと分かる。
「ほれ、サッサと行くぞ。儂は昼食の為に、今日は間食を控えておる」
陛下にせっつかれてお屋敷に移動すると、どうせそんな事になっているだろうと思っていたエステル殿下とビアンカ殿下がホールで待っていた。
ちなみに今日のスラタロウの逸品は、ロールキャベツにレタスなどのサラダ。お昼なのでワインではなく果実酒で。
将来この一帯でとれると予想する物を使っているという。
流石はスラタロウ。料理人だけでなく、文官もこなす万能スライムだ。
「地域の特性をいかして、他の地域では旬でない作物を育てると。成程、理にかなっている」
「将来的には、温泉の温水を利用した通年栽培ができる温室も考えています。温泉の温水を、竹とかのパイプで引いてくる簡単なものですが」
「冬期でも作物を栽培させようとしているのか。普通は不可能だが、確かにここにはそれを可能にするものがある。一から全てを用意するとなると莫大な費用がかかるが、ここは費用は抑えられる。しかしこの位なら実現可能かはともかくとして、ある程度地理と政治がわかるものなら想像がつくな」
陛下は、出された料理と一帯の地理の組み合わせの意図を見抜いた。
だが、それは考えるだけなら難しくはないと言う。
それを聞いたアメリア様は、少しうつむき加減になった。
「やはりゴレス侯爵は自身の事しか考えておらんかった。取り調べを行っても、領民の事だけではなくアメリアやマシューの事も話に出てこない」
「陛下、祖父が大変申し訳ありません」
「血の繋がりはどうする事もできんが、アメリアはアメリアだ。侯爵ではない。気に病むことはない。それに、侯爵の暴走は誰も止められなかっただろう」
陛下がアメリア様を気遣うが、確かに侯爵の暴走は誰も止められなかっただろう。
取り調べの態度も悪いらしく、陛下もため息をついていた。
「まあ、この程度ならサトーがいるならたいした工事でもないし、獣人に仕事を与えている点でも問題はない。最終的には農商務卿の判断によるが、儂は問題はないと思っている」
「陛下、ありがとうございます」
俺とビアンカ殿下の計画案は陛下の仮承認を得たので、後はプレゼンの本場で上手くいくことを願う。
と、ここで内務卿が一枚の書類を取り出した。
「サトー、クロエの手続きが終わった」
「早いですね。ありがとうございます」
「実は先代のギース伯爵がクロエの後見人になっていた。後見人死亡に伴う新たな後見人の選出だから、手続き自体は全く問題ない。ちなみに先代ギース伯爵はクロエを貴族としていたから、今回もそのままだ」
「お忙しい中ありがとうございます」
そっか、殺害された先代ギース伯爵はクロエを何とか貴族として残せる様にしていたんだ。
もうクロエは両親の元に戻る事はないし、要請があっても戻る必要もないという。
「というか、これだけの規模の開発を行っているので、名誉爵位を授ける基準にもなる。この後の王都の開発の件もあるし、アメリアもマシューもクロエも実家の事は全く気にすることはないだろう」
陛下は、この後も俺達をこき使う気満々だな。
王都の件は以前にも聞いていたけど、その結果として爵位を貰うまでが大変だ。
そして、この後会議があるとの事で皆を王城の控室に送っていったら、ご機嫌斜めの王妃様達が待ち構えていた。
「あなた。私達を置いていって皆で美味しいお食事ですか。楽しかったですか?」
「え、いや、その……」
陛下、王妃様に黙ってこっちに来たのかよ。そりゃ怒るわな。
陛下が怒られている間に、閣僚はササッと退室していた。
「サトーさん。明日は私達を昼食に連れて行って下さいね」
「イエス、マム!」
俺は王妃様に明日昼食に連れて行くと敬礼をし、助けを求める陛下を置いてゴレス侯爵領に戻った。
今回は自業自得なので、頑張って王妃様に謝って下さい。
「それはまた、陛下らしいですね。美味しいものに目がないですから」
入れ替わりで食堂にやってきたのは、ゴレス侯爵領に到着した御用商人の人で恰幅のいいちょっとメタボのおっさんだった。
どうも陛下の美味しいもの好きは有名らしく、こういうことは前にもあったと残っていた農商務卿と一緒に苦笑していた。
ちなみに初対面だった知的な人は魔道具ギルドの偉い人らしく、庭でレイアと何かの魔道具について語っていた。
魔道具はどう見ても小型の耕運機と草刈り機だけど、細かい事は実際にあった時に聞いてみよう。
ということでメンバーが揃ったので、プレゼン開始。
「サトー、父上を送って行っている間にもう説明は終わったのじゃ」
「はい、既存の産業をいかしつつの新しい産業創設ですので、リスクも少ないですし何より収益性も見込める。私でなくても開発を進めたいと思いますよ」
「ということだ。農商務卿である儂としてもこの計画を進めたい。雇用も増やせるし、サトーがいると初期費用も抑えられる」
えー、色々話そうと思っていたのに、既にもう終わっているとは。
ガックリしている俺を尻目に、早速現地視察に行くことに。
レイアと魔道具ギルドの人もついてきた。
「市街地は最低でも三倍に拡張します。それでも十分過ぎる農地が残りますので、道とあわせて造成していきます」
「公共事業も兼ねておるから、全てを妾達がやるわけではない。基礎工事はやるので、細かい所は住民に任せるつもりじゃ」
市街地になる予定の場所で、簡単に説明を行う。
あたりは草木に覆われているけど、区画を決めたら一気に魔法で基礎工事を行う予定だ。
と、ここで魔道具ギルドの人が、早速草刈り機魔道具を使い始めた。
「ふむ、突貫で作った割には綺麗に草を刈る事ができるか」
「おお、この間のアイディアが動いている」
「このくらいなら仕組みは簡単だから直ぐにできる。土を耕す魔道具も、ただ刃を回転させて土を耕すだけだ。何てことはない。こういう魔道具を作り出すアイディアが重要だ」
レイアのアイディアから生まれた魔道具かよ。
確かに仕組みとしては簡単だから直ぐに作れるが、それを思いつくのは凄いな。
子どもならではの柔軟な発想と言うわけか。
しかしながら魔道具ギルドの人は、初老なのにレイアと一緒になってまるで少年の様な笑顔で魔道具を動かしてはメモをとっている。
「サトー、魔道具ギルドのは気にしなくて良い。魔道具になると熱が入るたけだ。それにあの魔道具が実用化されれば他の領地でも使える」
農商務卿が補足してくれたが、確かに草刈り機や耕運機があれば風や土の魔法適性がなくても効率的に作業ができる。
これが実用化されれば、多くの人が助かるな。
レイアと魔道具ギルドの人は、このままここに残って実験をするそうなので、新たに雇った獣人の兵を護衛にして俺達は次の視察地に向かった。
「いやあ、こんなにも手つかずの土地があるとは。王都の周辺は開発しつくしているので、ここには可能性を感じていますよ」
御用商人はホクホク顔だった。
視察を行った所は皆いい場所で、住民もやる気があるのがいいらしい。どんなにいい土地でも、やる気のない人の集まりだったら意味はないという。
大体の場所を巡ったのでレイアの所に戻ると、今度は獣人の兵が草刈り機の魔道具を使っていた。
一時間ほどこちらにいなかったけど、かなりの範囲の草が刈られていた。
「パパ、凄いでしょう」
「これは想像以上だな」
レイアが得意気なドヤ顔をしてきたが、気持ちは良くわかる。
この魔道具は、想像以上の成果が出ている。
「うむ、今の所耐久性は問題ないと。使い勝手はどうかね?」
「悪くねえ。刃もメンテナンスしやすいし、何より操作が簡単だ。細かい所は改良が必要だが、俺は良いと思うな」
「ふむ、この案を元に次の試作品を作るか」
「先生よ、この魔道具を明日他のやつに使わせてもいいか?」
「構わん。是非使った感想を聞かせてくれ。試作品だから壊しても問題ない」
草刈り機の魔道具は既に獣人が食いついている。
そりゃあれだけの範囲の草を自分で刈ったのだ。他の人にも進めたい気持ちがわかる。
「どうだ、かなりの成果がでているな」
「農商務卿。まだ改良は必要ですが、これは本当に役に立ちそうです」
「あの獣人の顔を見ればわかる。他にも作りたい魔道具があるのだろう?」
「流石は特別執務官というべきか、次々にいいアイディアが出てくる。こんなにも職人魂が熱くなるのは久しぶりですよ」
他にもレイアにはアイディアがあるのか。
魔道具ギルドの人が、熱く燃えている。
しかし、今の会話に何やら聞き慣れないワードが。
特別執務官って何だ?
「サトー、言い忘れたが、以前父上がいっておったレイアを宰相配下につけるにあたって、特別執務官に任命したようだ。そこそこ権力もあるようだが、早速大きな仕事をしたようじゃな」
「さいですか。まあ、レイアがやる気なので問題ないですが」
レイアには、お給料に加えて魔道具のアイディア料も入るという。
かなり羨ましい。
ちなみに夕食も食べて帰った農商務卿と魔道具ギルドの人は、その美味しい食事内容を陛下に自慢したらしく、陛下はまたゴレス侯爵領に行こうとして王妃様に怒られたという。
ビアンカ殿下に連絡があって、農商務卿も打ち合せに参加したいと連絡があったので王都に迎えにいった。
うちの昼食が食べたいとリクエストされたので、スラタロウが昼食を作っている内に農商務卿を迎えにいった。
「それで、どうして皆さん揃っているのですか?」
「そりゃ、宮廷料理よりも美味い昼食が食べられるのだ。皆揃うだろう」
いつもの応接室に農商務卿を迎えに行くと、陛下や他の閣僚もスタンバイしていた。
そして、一人初めての人も座っている。
初老って感じの白髪のオールバックでメガネをかけている。
長身で、見るからにできる人だと分かる。
「ほれ、サッサと行くぞ。儂は昼食の為に、今日は間食を控えておる」
陛下にせっつかれてお屋敷に移動すると、どうせそんな事になっているだろうと思っていたエステル殿下とビアンカ殿下がホールで待っていた。
ちなみに今日のスラタロウの逸品は、ロールキャベツにレタスなどのサラダ。お昼なのでワインではなく果実酒で。
将来この一帯でとれると予想する物を使っているという。
流石はスラタロウ。料理人だけでなく、文官もこなす万能スライムだ。
「地域の特性をいかして、他の地域では旬でない作物を育てると。成程、理にかなっている」
「将来的には、温泉の温水を利用した通年栽培ができる温室も考えています。温泉の温水を、竹とかのパイプで引いてくる簡単なものですが」
「冬期でも作物を栽培させようとしているのか。普通は不可能だが、確かにここにはそれを可能にするものがある。一から全てを用意するとなると莫大な費用がかかるが、ここは費用は抑えられる。しかしこの位なら実現可能かはともかくとして、ある程度地理と政治がわかるものなら想像がつくな」
陛下は、出された料理と一帯の地理の組み合わせの意図を見抜いた。
だが、それは考えるだけなら難しくはないと言う。
それを聞いたアメリア様は、少しうつむき加減になった。
「やはりゴレス侯爵は自身の事しか考えておらんかった。取り調べを行っても、領民の事だけではなくアメリアやマシューの事も話に出てこない」
「陛下、祖父が大変申し訳ありません」
「血の繋がりはどうする事もできんが、アメリアはアメリアだ。侯爵ではない。気に病むことはない。それに、侯爵の暴走は誰も止められなかっただろう」
陛下がアメリア様を気遣うが、確かに侯爵の暴走は誰も止められなかっただろう。
取り調べの態度も悪いらしく、陛下もため息をついていた。
「まあ、この程度ならサトーがいるならたいした工事でもないし、獣人に仕事を与えている点でも問題はない。最終的には農商務卿の判断によるが、儂は問題はないと思っている」
「陛下、ありがとうございます」
俺とビアンカ殿下の計画案は陛下の仮承認を得たので、後はプレゼンの本場で上手くいくことを願う。
と、ここで内務卿が一枚の書類を取り出した。
「サトー、クロエの手続きが終わった」
「早いですね。ありがとうございます」
「実は先代のギース伯爵がクロエの後見人になっていた。後見人死亡に伴う新たな後見人の選出だから、手続き自体は全く問題ない。ちなみに先代ギース伯爵はクロエを貴族としていたから、今回もそのままだ」
「お忙しい中ありがとうございます」
そっか、殺害された先代ギース伯爵はクロエを何とか貴族として残せる様にしていたんだ。
もうクロエは両親の元に戻る事はないし、要請があっても戻る必要もないという。
「というか、これだけの規模の開発を行っているので、名誉爵位を授ける基準にもなる。この後の王都の開発の件もあるし、アメリアもマシューもクロエも実家の事は全く気にすることはないだろう」
陛下は、この後も俺達をこき使う気満々だな。
王都の件は以前にも聞いていたけど、その結果として爵位を貰うまでが大変だ。
そして、この後会議があるとの事で皆を王城の控室に送っていったら、ご機嫌斜めの王妃様達が待ち構えていた。
「あなた。私達を置いていって皆で美味しいお食事ですか。楽しかったですか?」
「え、いや、その……」
陛下、王妃様に黙ってこっちに来たのかよ。そりゃ怒るわな。
陛下が怒られている間に、閣僚はササッと退室していた。
「サトーさん。明日は私達を昼食に連れて行って下さいね」
「イエス、マム!」
俺は王妃様に明日昼食に連れて行くと敬礼をし、助けを求める陛下を置いてゴレス侯爵領に戻った。
今回は自業自得なので、頑張って王妃様に謝って下さい。
「それはまた、陛下らしいですね。美味しいものに目がないですから」
入れ替わりで食堂にやってきたのは、ゴレス侯爵領に到着した御用商人の人で恰幅のいいちょっとメタボのおっさんだった。
どうも陛下の美味しいもの好きは有名らしく、こういうことは前にもあったと残っていた農商務卿と一緒に苦笑していた。
ちなみに初対面だった知的な人は魔道具ギルドの偉い人らしく、庭でレイアと何かの魔道具について語っていた。
魔道具はどう見ても小型の耕運機と草刈り機だけど、細かい事は実際にあった時に聞いてみよう。
ということでメンバーが揃ったので、プレゼン開始。
「サトー、父上を送って行っている間にもう説明は終わったのじゃ」
「はい、既存の産業をいかしつつの新しい産業創設ですので、リスクも少ないですし何より収益性も見込める。私でなくても開発を進めたいと思いますよ」
「ということだ。農商務卿である儂としてもこの計画を進めたい。雇用も増やせるし、サトーがいると初期費用も抑えられる」
えー、色々話そうと思っていたのに、既にもう終わっているとは。
ガックリしている俺を尻目に、早速現地視察に行くことに。
レイアと魔道具ギルドの人もついてきた。
「市街地は最低でも三倍に拡張します。それでも十分過ぎる農地が残りますので、道とあわせて造成していきます」
「公共事業も兼ねておるから、全てを妾達がやるわけではない。基礎工事はやるので、細かい所は住民に任せるつもりじゃ」
市街地になる予定の場所で、簡単に説明を行う。
あたりは草木に覆われているけど、区画を決めたら一気に魔法で基礎工事を行う予定だ。
と、ここで魔道具ギルドの人が、早速草刈り機魔道具を使い始めた。
「ふむ、突貫で作った割には綺麗に草を刈る事ができるか」
「おお、この間のアイディアが動いている」
「このくらいなら仕組みは簡単だから直ぐにできる。土を耕す魔道具も、ただ刃を回転させて土を耕すだけだ。何てことはない。こういう魔道具を作り出すアイディアが重要だ」
レイアのアイディアから生まれた魔道具かよ。
確かに仕組みとしては簡単だから直ぐに作れるが、それを思いつくのは凄いな。
子どもならではの柔軟な発想と言うわけか。
しかしながら魔道具ギルドの人は、初老なのにレイアと一緒になってまるで少年の様な笑顔で魔道具を動かしてはメモをとっている。
「サトー、魔道具ギルドのは気にしなくて良い。魔道具になると熱が入るたけだ。それにあの魔道具が実用化されれば他の領地でも使える」
農商務卿が補足してくれたが、確かに草刈り機や耕運機があれば風や土の魔法適性がなくても効率的に作業ができる。
これが実用化されれば、多くの人が助かるな。
レイアと魔道具ギルドの人は、このままここに残って実験をするそうなので、新たに雇った獣人の兵を護衛にして俺達は次の視察地に向かった。
「いやあ、こんなにも手つかずの土地があるとは。王都の周辺は開発しつくしているので、ここには可能性を感じていますよ」
御用商人はホクホク顔だった。
視察を行った所は皆いい場所で、住民もやる気があるのがいいらしい。どんなにいい土地でも、やる気のない人の集まりだったら意味はないという。
大体の場所を巡ったのでレイアの所に戻ると、今度は獣人の兵が草刈り機の魔道具を使っていた。
一時間ほどこちらにいなかったけど、かなりの範囲の草が刈られていた。
「パパ、凄いでしょう」
「これは想像以上だな」
レイアが得意気なドヤ顔をしてきたが、気持ちは良くわかる。
この魔道具は、想像以上の成果が出ている。
「うむ、今の所耐久性は問題ないと。使い勝手はどうかね?」
「悪くねえ。刃もメンテナンスしやすいし、何より操作が簡単だ。細かい所は改良が必要だが、俺は良いと思うな」
「ふむ、この案を元に次の試作品を作るか」
「先生よ、この魔道具を明日他のやつに使わせてもいいか?」
「構わん。是非使った感想を聞かせてくれ。試作品だから壊しても問題ない」
草刈り機の魔道具は既に獣人が食いついている。
そりゃあれだけの範囲の草を自分で刈ったのだ。他の人にも進めたい気持ちがわかる。
「どうだ、かなりの成果がでているな」
「農商務卿。まだ改良は必要ですが、これは本当に役に立ちそうです」
「あの獣人の顔を見ればわかる。他にも作りたい魔道具があるのだろう?」
「流石は特別執務官というべきか、次々にいいアイディアが出てくる。こんなにも職人魂が熱くなるのは久しぶりですよ」
他にもレイアにはアイディアがあるのか。
魔道具ギルドの人が、熱く燃えている。
しかし、今の会話に何やら聞き慣れないワードが。
特別執務官って何だ?
「サトー、言い忘れたが、以前父上がいっておったレイアを宰相配下につけるにあたって、特別執務官に任命したようだ。そこそこ権力もあるようだが、早速大きな仕事をしたようじゃな」
「さいですか。まあ、レイアがやる気なので問題ないですが」
レイアには、お給料に加えて魔道具のアイディア料も入るという。
かなり羨ましい。
ちなみに夕食も食べて帰った農商務卿と魔道具ギルドの人は、その美味しい食事内容を陛下に自慢したらしく、陛下はまたゴレス侯爵領に行こうとして王妃様に怒られたという。